引退したからこそ、分かったこと
2023年5月1日に現役引退を表明し、23年間の卓球選手としての生活に終止符を打ちました。選手ではない時間を過ごしているうちに、現役時代は自分なりに大きなプレッシャーを感じていたんだなと気づかされました。いまはもう、厳しい練習も試合もない。怪我や体調不良などに、ピリピリと神経質になりすぎる必要もない。引退して寂しさも感じましたが、ほっとした気持ちも大きいです。
それから現在までの約半年、選手時代には経験したことがなかったことに色々と挑戦したことで、新たな発見や、改めて自分にとって大切だと気付かされたことがあります。
(1)夜更かししない
「当たり前なことをなぜいまさら?」と思われるかもしれませんが、現役を引退してまず大切だと感じたのが、睡眠です。現役時代は朝8時に起床し、日中はひたすら練習や試合、そして日付が変わる前には必ず就寝……という睡眠サイクルを繰り返していました。引退してプレッシャーや規律から解放されて、ひさしぶりに「夜更かし」をしてみたんです。そうしたら身体が全然もたなくて、夜更かし生活は1週間で終了。規則正しい生活を送っていたときは意識していませんでしたが、乱れた生活を経験してみたことで、睡眠の大切さを痛感しました。寝不足だと肌も荒れてしまい、精神的にもネガティブになります。逆にしっかり寝れば、それだけで前向きな気持ちになる。結局、いまは現役時代とあまり変わらない睡眠サイクルに戻りました。あ、でも予定がない日は、現役時代のときよりも、ちょっとだけ遅く起きているかも(笑)。
健康的な食事。これも今までの規律がなくなり、好きなものを好きなだけ食べられるようになったことで、改めて大切だなと(笑)。少し乱れた食生活をすると、すぐにニキビができちゃうんです。食べるものが身体を作りますから、やはりお肉と、野菜、ご飯のバランスが良い食事を、なるべく決まった時間に食べることを心掛けています。健康的な食事をすれば、心身ともに元気に、ポジティブになれます。
昔から自炊はするタイプですが、全部自炊はなかなか難しいので、無理をしない程度にお惣菜を買ってきて、自炊と組み合わせています。バランスの良い食事を取ることが目的なので、自炊にはこだわりません。
選手時代もいまも、家でご飯を食べる時は、鍋をやることが多いですね。鍋なら野菜もお肉も効率よく取れますし、特に選手だった頃は、胃に負担が少なく消化が良いものを摂りたかったので、基本的には「焼いた」ものとか「揚げた」ものではなく、「茹でた」ものを積極的に食べていました。茹でれば余分なカロリーもカットできますしね。試合が近づいて緊張してくると、だんだんと消化も悪くなってくるので、試合前は冬でも夏でも1週間ぐらいずっと鍋を食べていたことも。鍋は色々な食材をバランス良く食べられるから、いまでも大好きです。
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