「家族」を描いたドラマを作り続けたい
朝、目が覚めて、両足を真上に伸ばす。「よし、今日も上がる」と確認してから石井ふく子(97)の一日は始まる。TBSに勤続62年、世界最高齢のテレビプロデューサーは、来年も新たなドラマを制作する予定だ。
「最近は海外ロケに行ったり、物騒な殺しの場面があったり、外見ばかり取り繕ったドラマが多いですね。私には、やっぱり『家族』というテーマが大事でね。何気ない親と子の心のつながりを描き続けたいんです」
脚本家の橋田壽賀子が亡くなって2年。盟友とは毎晩電話をしていた。作品のこと、生活のこと、何でも話した。今でも夜になると、つい携帯に手が伸び、寂しくなるという。
「『渡る世間は鬼ばかり』の脚本が書き上がるたびに、橋田先生から『今すぐ来て!』と熱海の自宅に呼び出されるので、飛んで取りに行ったものです。長ゼリフが多いから、一刻も早くキャストの方々に届けたくてね」
そう語る表情は、どこか懐かしそうだ。
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source : 文藝春秋 2024年1月号