エッセイの名手としても知られた女優の高峰秀子(1924~2010)は、生涯に1本だけ脚本を書いている。それは、テレビプロデューサー石井ふく子氏の母をモデルにしたテレビドラマだった。
石井さん
この写真(左下)は、私の母の葬儀のときのものです。高峰秀子さんと母は「かあちゃん」「秀ちゃん」と呼び合う仲で、私より親娘のようでした。昭和51年に母が亡くなったときはすぐに病院へ駆けつけてずっと付き添ってくださり、葬儀では位牌を持ってくだすったのです。情の細やかな方で、その後も私のことを何かと気遣っていただきました。
母は東京・下谷の芸者を辞めたあと、三味線と小唄の師匠をしていました。天真爛漫な性格が慕われて、森光子さんや大原麗子さんなど、たくさんの方が赤坂にあった我が家へ見えていました。けれども母のほうからお宅へお邪魔していたのは、高峰さんだけだったはずです。脚本家の松山善三さんと結婚されたときは、お母様が着る留袖と丸帯を、母が用意したそうです。
高峰秀子
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から
-
1カ月プラン
新規登録は50%オフ
初月は1,200円
600円 / 月(税込)
※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。
-
オススメ
1年プラン
新規登録は50%オフ
900円 / 月
450円 / 月(税込)
初回特別価格5,400円 / 年(税込)
※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2022年1月号