福田和也、アルベルト・フジモリ、石川好、伊藤隆、岡田太郎

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偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム

★福田和也

福田和也 Ⓒ文藝春秋

 文芸評論家で慶應義塾大学名誉教授の福田和也(ふくだかずや)は、文学、歴史、芸術、料理について論じ、多くの評伝を執筆した。

 論壇デビューは1990(平成2)年から『諸君!』に連載した「遙かなる日本ルネサンス」だった。20代の若者が冷戦の終結後を見据え、日本を文明論から再考してみせたので読者は驚いた。

 60(昭和35)年、東京都北区に生まれる。父は製麺機製造工場の経営者。母が教育熱心でお茶の水女子大学附属小学校に入る。「本を読むことが好きになり」、小学4年の頃から、NHKテレビの『日本史探訪』に出演する海音寺潮五郎や司馬遼太郎の歴史小説に親しんだ。同中学時代にはトーマス・マンやドストエフスキーを読み、三島由紀夫風の戯曲を書いている。

 慶應義塾高校に入学すると芝居や音楽に夢中になった。つかこうへいの『熱海殺人事件』を見てからは「つか芝居の追っかけとなる」。パンクロックに嵌り仲間とアメリカに渡ってコンサートに参加、警察に保護され父に身柄引受に来てもらったという。

 慶應義塾大学3年の時パリを訪れるが、図書館で日本人留学生たちがプルーストの草稿に群がり一字一句チェックしているのを見て愕然とする。その時「フランス人が嫌がることをしてやろう」と思ったことが、ナチスに協力したフランスの作家たちに注目する切っ掛けとなった。

 その後、大学院を途中でやめて家業を手伝い、7年かけて『奇妙な廃墟 フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール』を刊行する。多くの著名人に送ったが、「これといった反応がなく」、唯一、手紙で激励してくれたのが江藤淳だった。

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source : 文藝春秋 2024年11月号

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