1億総活躍相大臣、働き方改革大臣、そして現在は2度目の厚生労働大臣として、安倍政権を発足以来支えてきた加藤勝信氏。元大蔵官僚で政策通だが、知名度はそこまで高くはない。どんな政治家なのか。

クールヘッドとウォームハート

　――厚労相には1年ぶりの復帰ですが、想定内でしたか？

　加藤　いや全く。次にどんなポストに就くのか、全くイメージを持っていませんでした。

　――私は加藤さんが厚労相に復帰すると見ていました。来年の通常国会には年金や介護の改正案が提出される予定ですが、答弁がしっかりできる人は党内にもそういません。

　加藤　でも、「ご飯論法」とか色々ご指摘を頂いていますけどね。「朝ご飯を食べたか？」という質問を、「朝、ご飯を食べたか？」と故意に受け止めて、「ご飯は食べていない（パンは食べたが）」と答える手法だそうですが、私の答弁のどこがそれに当てはまるのか分かりません。ただ、社会保障は国民の皆さんの生活にもダイレクトに関わってくる話ですから、分かりやすい説明をしていかなければいけないと思っています。

　――加藤さんはポスト安倍の1人に名前が挙がりますが、まだ知名度が高いとは言えません。まずはご自身の長所、短所から教えて下さい。

　加藤　短所として言われるのは「もっと目立った方がいい」ということ。ただ、一つ一つ政策をこなしながら、評価して頂くという道を歩んで行きたいと思っています。長所は、そうですね……あまり自分で言うものではありませんが、自分への戒めとして、常にクールヘッドで政策を進め、ウォームハートで皆さんの声を受け止めるということです。

　――経歴を振り返ると、大蔵省を95年に退官後、2度国政選挙に落選しましたね。初当選は03年の衆院選でした。義父は93年に自民党を離党した故・加藤六月元農相です。

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