2月24日に開戦から丸3年が経過するウクライナ戦争。2月12日にはトランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と停戦に向けた協議開始に合意し、新たな動きが見え始めている。
ウクライナ戦争は今、どんな戦況にあるのか。第1回となる今回は、この3年間の戦況の変化、北朝鮮とロシアの事実上の「軍事同盟」について、小泉悠氏と長谷川雄之氏が語り合った。
(この対談は1月15、16日に配信された「文藝春秋PLUS」オリジナル動画をテキスト化したものです)

ウクライナ戦争は「膠着状態」なのか
――ウクライナ戦争は2月24日で開戦から丸3年を迎えます。最近の戦況はほとんどの場所で変化がなく、膠着状態とも言われています。お二人にご登場いただいた対談(小泉悠×長谷川雄之「プーチン新政権の『影の軍団』」)からおよそ10カ月。この間の変化をお二人はどうご覧になりますか。
長谷川 膠着状態というのは、おっしゃる通りです。現在、ウクライナ東部で、ロシアが攻勢を強めていることは指摘できますが、決定的には攻め切れていない。戦闘の長期化で軍事作戦上も切れるカードが限られているなか、戦力を温存しているという見方もできる。対してウクライナは、2023年夏に反転攻勢を試みましたが、同年冬からアメリカの支援が一時的に止まったこともあり、その頃から雲行きが怪しくなってきました。
また、戦争が長引くにつれて、人員の問題も顕著になってきました。ヨーロッパ諸国やアメリカが、ウクライナに対して武器や弾薬の支援を行ってはいますが、最終的にそれらを使うのは人間。ウクライナがどの程度、戦闘に人員を割き続けられるかが問題になってきています。ウクライナでは徴兵制の年齢引き下げという話も出ていますが、人口動態を考えればなかなか難しい。ウクライナ戦争の3年を振り返ってみると、米欧諸国の軍事支援の停滞がまず浮かび上がってきて、それが徐々に人員の問題に発展してきたように感じます。「停滞」とは言っても、米露間のエスカレーション管理の要素も考えなくてはならず、複雑な国際政治の中で、米欧のウクライナ軍事支援を巡る政策が調整され、実施されてきました。
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