リスクに備えるだけでなく、リスクそのものを減らす。
新しい発想から生まれた健康増進型保険「Vitality」。住友生命では、さらにその先を見据えて、「Vitality」を中心に、「ウェルビーイング=一人ひとりのよりよく生きる」を支える取り組みを加速しようとしている。
2030年、グループはこうありたい

WX本部副本部長
堀 竜雄氏
2年前、私どもは新3カ年計画「スミセイ中期経営計画2025」とともに、2030年に向けて住友生命グループが目指す姿として「住友生命グループVision 2030」を策定しました。2030年までに、ウェルビーイングに貢献する「なくてはならない保険会社グループ」になるという目標を掲げたのです。ウェルビーイングとは、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態であることを意味します。つまり、一人ひとりがよりよく生きていくことを指します。
今回の中期経営計画はその最初の3年間です。2030年にありたい姿に到達できるように、軌道をしっかり確立しなければなりません。その取り組みを加速させようと「スミセイWX(ウェルビーイング・トランスフォーメーション)」と銘打ち、ウェルビーイングを軸とした顧客体験価値の変革を開始しました。併せて、部門横断でスピードを上げて取り組もうと、新たにスミセイWX本部を立ち上げました。
WXのⅩにはもう一つ、大切な意味があります。エクスペリエンス(体験)のⅩです。ウェルビーイング実感が高まるような体験価値をお客さまに提供する。そのキーコンテンツになるのが「Vitality(バイタリティ)」です。
バイタリティは南アフリカのディスカバリー社が約30年前に開発した健康増進プログラムです。運動や健康診断などの取り組みをポイント化し評価することで、保険料が変動します。「リスクに備える」だけでなく、「リスクそのものを減らす」という革新的な健康増進型保険です。
現在では、保険に付帯するだけでなく、プログラム単独で加入できる「バイタリティ
スマート」も販売しています。

バイタリティの場合は、毎日の歩数や心拍数、毎年の健康診断の結果など、さまざまなデータがストックされています。こうした客観的なデータも活用しながら、ウェルビーイングを測る当社独自の指標として「スミセイ版健康寿命」の開発に着手しました。
指標を開発して可視化することで、お客さまのウェルビーイング実感を高めていきたいと考えています。
健康であることは重要なことです。ただ、それだけではまだ不十分です。ウェルビーイングというのは、今の暮らしに満足し、将来にも希望が持てる状態です。そのためには、お客さまの様々なお困りごとに対応できるサービスを提供しなければなりません。
そこで、国内のパートナー企業と連携して、ウェルビーイングサービスを提供していくエコシステム「WaaS ワース(Well-being as a Service)」を構築していきます。
ウェルビーイングの山を登っていく
バイタリティを核に、健康増進、重症化予防、資産形成、プレコンセプションケアなど幅広いサービスを開発し、ウェルビーイングの価値を提供するお客さまを広げる「量」と、顧客体験価値を高める「質」の双方に取り組んでいこうとしています。
「Vision 2030」では、象徴的な目標として、ウェルビーイング価値提供顧客2000万人、バイタリティ会員500万人を目指しています。このレベルまで行ったとき、本当にウェルビーイングに貢献する「なくてはならない保険会社グループ」と言えるのです。
まずはウェルビーイングのすそ野を広げることでお客さまとの接点を増やし、その方々が暮らしを充実させるために何を求めていらっしゃるかをしっかり把握して、先ほどのWaaSの中からぴったりあったサービスを提供する。そうしてウェルビーイングの山を登っていただき、でき得れば私どものコアバリューである「バイタリティ保険」につながっていく。私どもはその伴走者であり続けたいと思っています。
提供:住友生命保険相互会社
https://www.sumitomolife.co.jp/
photo:Miki Fukano
design:Better Days
source : 文藝春秋 2025年7月号