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2021/06/24

国保料の差は自治体で最大3.4倍に

 ただ、国民健康保険料の地域差は大きい。コロナ移住希望者のなかには、筆者のような自営業者も多いだろう。会社員とは違い、保険料は全額自己負担となるため、負担に地域差があることは確認しておきたい。

都道府県別国民健康保険料(標準化保険料算定額/特定被災地を含む) 出典:厚生労働省「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」(平成29年度版)

 上の図版は、都道府県別の標準化保険料算定額をまとめたものだ。標準化保険料とは、都道府県の平均所得者の保険料を指す。都道府県を保険料の安い順に並べると、埼玉県、神奈川県、愛知県、東京都、茨城県と並ぶ。

 逆に、高い順に並べると、徳島県、佐賀県、山形県、大分県、熊本県となる。人口の多い都道府県ほど安く、四国、九州が高い傾向が見てとれる。

 都道府県別に見ると、最も高い徳島県は14万5629円で、最も安い埼玉県(10万2533円)の約1.4倍だ。自治体別に見るとその差はさらに大きく、最も高い北海道天塩町(19万870円)は、最も安い東京都御蔵島村(5万6234円)の約3.4倍だ。

地域差が生まれる理由

 所得が高いほど保険料は高くなるが、なぜ、平均所得で比較しても、こうした地域差が出てくるのだろうか。それは、保険料の算定方式の違いにある。

 保険料は、所得に応じた「所得割」、固定資産に応じた「資産割」、一人当たりの定額「均等割」、1世帯当たりの定額「平等割」の4つの算定方式で決まる。このうち、自治体によって、2つの算定方式で決めるところもあれば、4つの算定方式で決めるところもあり、地域差を生む原因になっている。

 そのため、同じ県内でも格差は大きく、例えば、同じ北海道でも天塩町(19万870円)と幌加内町(6万2254円)の保険料は約3.1倍違うのだ。国民健康保険制度が生まれた1961年以降、国民健康保険は市町村が運営していたが、2018年からはこうした格差を是正するために都道府県が運営している。 ただ、自治体ごとに異なる算定方式や、財政状況により、依然として地域差が生まれてしまっている。当然だが、医療機関を利用する高齢者が多ければ、それだけ医療費が上がり、それを負担する人口が少なければ保険料も上がる

 都道府県別の保険料を高齢化率で見ると、保険料の安い都道府県は埼玉県が26.7%、神奈川県が25.3%、愛知県が25.1%と高齢化率が低く、逆に保険料の高い都道府県は徳島県が33.6%、佐賀県が30.3%、山形県が33.4%(内閣府「令和2年版高齢社会白書」より)と高くなっている。

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