NHKのEテレ「しごとの基礎英語」に出演しているルース・マリー・ジャーマンさんは、急増する外国人観光客のニーズに応えるためのインバウンド・ビジネスを幅広く手がけています。ルーシーさんがJR東日本の清掃スタッフにレクチャー中の「今日から使えて、外国人の気持ちがわかるようになる」英会話フレーズを紹介します。

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ルース・マリー・ジャーマンさん ©文藝春秋

 日本を訪れる外国人観光客は、2013年の時点では約1000万人だったのですが、たった4年間、2017年中には3000万人近くまで伸びると言われています。口コミを聞いて「日本に行ってみたい」と思っている観光客が実にたくさんいますし、リピーター客も増加しています。

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 私はいま、JR東日本グループの子会社東日本環境アクセス(以下、アクセス)さんのスタッフの方々へ、駅構内などで迷っている外国人観光客へのシンプルで簡単な英語対応をレクチャーしています。アクセスさんのスタッフは、駅構内や駅ビルなどの清掃を行うなかで、外国人から実にさまざまな問い合わせを受けていて、簡単な英会話スキルを身につけることで、外国人とのミスコミュニケーションの溝を埋めようと試みています。

 電車や路線の案内には、英語を話す外国人の感覚に合った「色」を使って説明すると非常に効果的であることが、だんだんわかってきました。

「銀座線」が「Silver Line」では外国人に通じない理由

 JRの山手線は「Green Line」。京浜東北線は「Light Blue Line」と説明すれば、だいたいわかってもらえます。東京メトロの銀座線は「Silver Line」になると思うかもしれませんが、実は「Gold Line」と説明したほうがわかりやすいのです。「銀座線」という漢字をまったく理解できない外国人に対しては、電車そのものを見たままの色で説明しなくてはならないんですね。そして「Where?」と尋ねられたら、「Over there(あちらです)」と指をさして案内するようにアクセスさんにレクチャーしています。迷っている外国人を目的地まで連れていく余裕がなかったとしても、親切に指を差して「Gold Line is over there!」と方向を示してあげれば十分におもてなしの心が伝わりますよ!

東京メトロ銀座線 ©iStock.com