昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

好きで好きで仕方なかった

――なるほど。ホストに貢いで自分自身の価値が曖昧になっているということですね。

佐々木 そうです。2018年の10月に第6トーアビルで飛び降り自殺があったことをきっかけに、飛び降りが相次いだんですよ。最近はアパホテルで飛び降りたのが中高生のカップルだったということで話題になりました。それくらい自殺が非日常的ではない街なんです。

歌舞伎町ラブホ街にある「第6トーアビル」   ©今井知佑/文藝春秋

 私からしてもこれは新しいカルチャーの気がしていて。2018年まではホスト狂いの子が、ホストとのいざこざが原因で自殺する…ってことがほとんどだったんですが、「死ぬならここにしよう」って他所からの自殺者も来たというケースもあったらしいんですよね。それこそホテル心中とかもあったじゃないですか。

 これは本当に個人的な直観なんですけど、自殺とか心中がカルチャーとしてすごいライトになってきているのかなと思っていて。その端緒が、2019年に女性がマンションでホストを刺した事件です。「好きで好きで仕方なかった」と捕まった女性が供述したんですけど、そのプリクラが流行ってるんですよ。

――プリクラ?

佐々木 「好きで好きで仕方なかった」というのが、プリクラのポーズとしてもうあるんですよね。田舎の女子高生もそのポーズでプリクラを撮ってるというぐらい広まりました。「#好きで好きで仕方なかった」とつける女の子たちは結構います。

新宿TOHO横で話す女性たち   ©今井知佑/文藝春秋

――それって事件のことを理解してやっているわけではなくて、みんな流行りだから乗っかっているという感じでしょうか。

佐々木 そうです。なんかその言葉がすごく響いたんでしょうね。共感できる女の子たちがたくさんいて。その事件の女の子の画像が出回っているんですけど、その子のタバコ吸っている姿がエモいとか。「エモい」って言葉で括ると若者文化として受け入れられやすいんですよね。

z