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マンガは恐竜の動きをより正確に描写するのに向いている

――恐竜といえばフィギュアも人気ですが、藤原先生が造形の面で評価しているメーカーなどはありますか?

藤原 実際の骨格の3Dスキャンや写真を正しくトレースしたものがあれば、それ以上正確なものはないので、評価できると思っています。ですが、ポーズを取らせたときの骨の角度や筋肉の張りとかまで考えると、まだまだ改善していく余地はあると思います。

――なるほど。いっぽう、今回の『ディノサン』に登場する恐竜は、骨格にもとづいて、筋肉の形までしっかり考証して描かれている……と考えていいわけでしょうか。

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藤原 そうですね。CGやフィギュアについて専門家が監修をおこなった場合、監修者が「○○の部分をなおしたほうがいい」と言っても、技術的な問題や、制作時間や作り直すコストの問題で、充分な修正ができないことがあります。ただ、『ディノサン』は作者の木下先生ご自身がそこに妥協をされない方で、しっかりなおしてくださっています。これは監修者冥利に尽きて、うれしいですね。

――CGやフィギュアと比べると、マンガの場合は相対的に絵の修正が容易なので、恐竜の動きをより正確に描写するのには、向いているメディアなのかもしれません。

藤原 そうですね。あと、本作についてはなにより木下先生が熱意を持って描かれている。ご本人が動物好きで、現代の動物の行動なんかも参考にして、リアリティのある恐竜の行動を描写していただいています。

――9月9日に刊行された第1巻では、ギガノトサウルスの食事、トロオドンの産卵、トリケラトプスの生態、ディロフォサウルスの病気がリアルに描かれました。次巻予告ではアロサウルスが登場するみたいですが、飼育員を襲ったらしき描写がありますね。アロサウルスの骨格と筋肉は、果たして人間を襲うという動作ができるのでしょうか?

藤原 それはぜひ、マンガを読んでのお楽しみということで(笑)。

――ありがとうございました!

ディノサン 1 (BUNCH COMICS)

木下いたる

新潮社

2021年9月9日 発売