文春オンライン

脱原発にのめり込み過ぎた結果、欧米からハシゴを外される一部始終

「SDGs」が大事ってみんな一口に言うけれど

2022/01/17
note

 新年が明けて、日本も欧州も寒い冬がやってきました。

 東京では久しぶりの大雪が降り、たった5cmしか積もらなかったのに大騒ぎとなって大雪警報まで発令される始末で、北海道や秋田の皆さんから北から目線のご心配の声を頂戴したのはありがたい限りです。大きなお世話なんじゃあーっ。

地球規模の気候変動ショックを起こす可能性が

 と思っていたら、南太平洋の島国・トンガ近辺で超絶大規模な火山噴火がありました。大変なことです。南海トラフの地震を怖れる日本も、太平洋プレートではご一緒している地域であるがゆえに、歴史的規模の大噴火が発生してしまうとさすがにビビります。世界のインターネットを繋ぐ海底ケーブルの中継地とも知られるトンガや周辺の皆さんは大丈夫なのでしょうか……。

ADVERTISEMENT

 何よりも、人間が「SDGsが」「地球環境のために持続可能な開発を」と言ってる横で、肝心の地球様が大噴火をさせているのを見ると、地球様にとって人類などほんと地表に生えた光るカビぐらいにしか思ってないんだろうなあと感じるわけであります。

 1991年には、フィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火でも大変なことになりましたが、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ、世界的に気温が低下してしまいました。2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入しなければならない事態になったのです。おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています。大変なことだと思うんですよ。

 噴火の衝撃もある一方で、この年末年始、寒い冬を越すのに東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだ感じです。常日頃、揶揄されることも多い東京電力もインフラの仕事として立派に首都圏に電力供給をしてくださっているわけで、政策的にも右往左往しなくて良いようにしないとなあというところへ出てきたのがエネルギー政策の理想と現実の話です。

確かに「無駄も多いんじゃねえのか」と感じる日本のエネルギー

 このところ、脱炭素社会だゼロカーボンだと、地球の気候変動を促してしまう、減らすべき温室効果ガスの筆頭として二酸化炭素が槍玉に挙げられ続けてきました。世界的にこういう気温上昇にともなう集中豪雨や海面上昇などさまざまな異常気象に対処するため、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運になってきたわけですね。

 確かに、ボンボン石炭燃やして発電所焚いて電気を作って、それが日常的にあったかい便座やどこでも冷たいコーヒーが買える自動販売機に使われ続けているのは気になります。誰も乗ってないのにフル回転で動くエスカレーターも夜空を煌々と照らす繁華街のネオンの類も、毎日膨らみ続ける東京ドームの屋根も、電気で動いている限り「無駄も多いんじゃねえのか」と思うわけですよ。

 さらには、新築のタワーマンションに越してみたら、窓枠がアルミサッシで暖房をいくら入れてもサッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる残念な日本の住宅事情を見ても、もうちょっと環境にやさしい断熱とかできねえのかと思ったりもします。仕方なく100均に行ってプチプチの断熱材を買ってきてせっせと貼ったり、少し長めのカーテンを吊るしてなるだけ電気を使わない生活に工夫していく以外に方法はないのでしょうか。