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世界的な「脱原発」と「再生エネルギーシフト」への動き

 また、お世話になっている東京電力も10年前は福島第一原発事故をやらかしています。あれは大変だった。結局は私たちの電力代や納める税金での対応を余儀なくされたという意味では国民全員が罰ゲームを食らったようなものですが、あのころからやはり「電力は大事だが、原子力発電は駄目だぞ」という流れがより強くなってしまったように思います。

 実際、欧州でもドイツを中心に脱原子力発電所の動きが続き、石油石炭LNGなど脱化石燃料の動きもあいまって、世界的な温暖化対策のためにも再生エネルギーシフトは必要だ、絶対にやり遂げなければならないというような風潮になったのは、やはりSDGsを推し進めたい世界的なコンセンサスが大富豪のお金をかき集め、各国の広告代理店に「SDGsは世界的な超重要事項だぞ」という謎キャンペーンを張りまくったことによる洗脳効果なのでしょうか。思い返せば、プーチン大統領に正面から喧嘩を売ったグレタさんとは何だったのかとか、いろんな記憶が蘇ります。

©️iStock.com

 果ては、炭素排出権の確立も経て、モビリティの世界では電気自動車(EV)が世界標準となって、2030年代なり2040年代にはガソリンで動く自動車は全廃だぞぐらいの勢いで自動車業界の地殻変動が進んでいます。よく分からないけど俺たちのテスラ社の株価は天文学的な数字となった後で大規模リコールなど引き起こしていましたが、それでもガソリン自動車やディーゼル車はもはや社会悪だといわんばかりの勢いでイメージ悪化が進んでいます。

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再生エネルギーへの移行はどの国もかなり先の話

 もちろん、自動車が一斉にEVになりました、二酸化炭素を排出しなくなって良かったですね、といってもエネルギーを消費していることには変わりありません。東京電力など電力会社の皆さんが頑張って作り上げた送電網により一層の依存をすることになります。トヨタ自動車の豊田章男さんも、記者会見や文春誌面で怒り狂っておられましたが、ガソリンで動く車を全部EVにして充電池依存にしたらしたで、その充電するための電力はどうやって創り出すんだという話になり、結果的に発電リソースが大量に必要になって、むしろ多くのインフラ余力を必要とする本末転倒を起こすんじゃないかって話は正論だと思うんですよ。

 さらに、これからの世の中は再生エネルギーだぞ、脱炭素だぞと言っても、そこそこ強い風が吹き、長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず、そもそも彼らの人口は600万人もいないわけです。スペインもイギリスも再生エネルギーを増やしたくて頑張っているけれど、やはり過渡期ということもあり全面的に再生エネルギーに移行できるのはかなり先のことになるかもしれません。