昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/01/28

大学は、世間知らずで人間的に変わった人の巣窟

 また、私が以前相談されてお付き合いしていた大学では、教授、准教授以下が学界での立場を守るボス的役割に腐心していて日本の学問領域が硬直化してしまい、より先進的で自由な研究を行う海外勢に押されっぱなしで大変に無能な世界もあります。せっかく学びに行っても、日本国内でもまともに通用するかわからんような知識をいくら詰め込んでも無駄だと感じる人が出るかもしれません。

 また、まともな研究者が素晴らしい教育者とは限りません。まともに研究していると、大学の雑務もあってさらに産業界から金を集めて研究資金を調達するというミッションもあるため、ちょっと学んでみようという半端な気持ちの大学院生をいっぱしの研究者、技術者に育て上げること自体が難しかったりもします。

写真はイメージ ©️iStock.com

 何より、大学の世界は私が見ても世間知らずで人間的に変わった人の巣窟であるため、ちょっと信じられないような行動を取る人たちがたくさんいます。コンプラの世界でも世間一般ではちょっとないなと思うようなアカデミックハラスメントが横行していて、大学のはずが動物園のようになっているケースすらもあります。

知識を持つ人を大切にする社会に

 それでも、いかなる環境でも適切な学びを理想高く持ってやっていくことは大事だと思うんですよ。稼げない学問領域に関心があるのであれば、指導教官となる教授とも話し合って、時間をかけて学び、論文を書けば良い。そういう単にネットで調べたり本を読んだりと雑然とした知識を頭の中に放り込むだけじゃなく、体系的な学びにある程度社会経験のある人が取り組むのは価値のあることだ、と。

 潰しの効かない学問をやり、博士課程を卒業し、それで食えないというのは、そのような人材を遇することのできない我が国の産業界の発想の貧困かもしれないし、もう少し、社会的に博士ほか知識を持つ人を大事にする風土になれば良いなと思います。カネになる大学院は国内MBAだと意識高く頑張っている人にとっても、好きな作家が生きた時代背景に思いを馳せ豊かな文化の土壌を形成するのも、人としての大事な役割でしょうからね

 どうせ人生は死ぬまでの暇つぶし。ある程度の時間と金が自由になるなら、皆さんも自らの学びに命を捧げてみませんか?

INFORMATION

 ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、特にタイトルがあるわけでもない山本一郎の痛快ビジネス記事が待望の単行本化!

2019年5月15日発売!!

 その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。結婚し、出産に感動するのもつかの間、エクストリーム育児と父父母母介護の修羅を生き抜く著者が贈る、珠玉の特選記事集。どうかご期待ください。

この記事の写真(2枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z