昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

特集観る将棋、読む将棋

2022/02/24

――三段リーグ4期目は指分の成績でした。その最終戦で西山朋佳三段(現女流二冠)との一戦は、初の「女性棋士」誕生なるかという大きな注目の中で行われました。

伊藤 対局中は普段と変わらず指していたと思うんですけど、負けて相当悔しかった記憶があります。(世間が女性棋士誕生を期待する)プレッシャーはまったく感じていなかったです。むしろ止めてやろうという気持ちの方が強かった。少しは意識していたかもしれませんが、ここは絶対止めてやろうと。自分が負けて新しい記録が生まれるのは一番悔しいことなので。奨励会員なら、誰でもそうだと思います。

「将棋に対する姿勢という意味で、もっとも影響を受けました」

――新人王戦の優勝について。

伊藤 (しばし沈黙の後に)優勝できたことは本当に気分のいいことだと思います。何を獲りたいとか、そんなにまだないんですけど、いいところまで勝ち進んできて、このチャンスは逃したくないというのはありました。勝った直後は、ほっとした感情が強かったです。

――1年間で一番記憶に残っている対局は?

伊藤 やっぱり永瀬王座と対局して勝利できたことですね。三段の頃から頻繁に教わっていたので、そういう方と公式戦を指せるのは嬉しいことでした。将棋に対する姿勢という意味で、もっとも影響を受けました。永瀬王座は、1日のほとんどの時間を将棋に費やされていると感じました。いろいろな変化に精通されていて、勉強量がすごい。自分とは読みの深さが違うのを、何回も教わることでより実感していったというか。四段に上がれたのは、それが大きかった。

 

――普段はどんな生活ですか。

伊藤 研究会がある日は、朝起きてすぐに研究会に行って、夕方頃に帰宅して指した将棋を振り返って。研究会がない日は昼頃まで寝ています。基本的にソフトを使って研究をしています。1日の勉強時間は数えていないのでわかりませんが、調べているうちに難しい変化に直面したときには突き詰めたりします。区切りがつかずに、夜遅くなることも。昨夜も午前2時半頃に寝ました。

――世間一般に起きていることに関心はありますか。

伊藤 ああ、まったくないですね(笑)。テレビは全然観ませんし、本もあまり読まないです。

――今は将棋一本に絞られている?

伊藤 じゃあ、そういうことに(笑)。将棋一本ということにしてください。

写真=野澤亘伸

この記事の写真(8枚)

+全表示

この記事を応援したい方は上の駒をクリック 。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春将棋をフォロー
z