文春オンライン

「先生がいなかったら今、自分はいない」強制わいせつで逮捕され命を絶った練馬中学教師「本当の顔」

葬儀では泣き崩れる生徒も

source : 週刊文春

genre : ニュース, 社会

note

目撃者の証言と報道がかなり異なっていた

「事件があったのは、午後3時頃、掃除の時間での出来事でした。トイレ掃除をしている男子生徒がふざけ合って股間を触っていた。それを見つけた石井先生が男子生徒を注意しようと、個室のドアに押し付ける体勢で左腕で肩を組んで右手で股間を掴んだ」

 報道ではその際、「個室に連れ込みわいせつ行為に及んだ」とされる。

「当時周りに複数の生徒がいましたが、後から聞いても『個室に押し込んではいない』と話していたそうです。目撃者の証言は報道内容とニュアンスがかなり異なっていました」(前出・学校関係者)

ADVERTISEMENT

 被害報告を受け、被害生徒と保護者、学校側での話し合いが行われたが、折り合いが付かなかったという。

「石井先生の担任クラスの生徒でしたから、『今すぐ担任を代えてくれ』との申し出がありましたが、学校側は『すぐには難しい』という回答でした。そのため被害生徒の保護者は警察に被害届を提出したという経緯です。最初に対応した教員が警察への届け出を勧めていたとも聞いています」(同前)

 A中学の生徒が語る。

「先生が亡くなったことを校長から聞かされた時、集会で泣き崩れる生徒もいました。私もやっぱり悔しかった……。でも、通報した被害生徒がいちばん驚いてるかもしれません」

 亡くなる数時間前、自身のインスタグラムに投稿した“遺書”にはこうある。

〈陰部を服の上から掴みました。(中略)正直性的な狙いはまったくありませんでした。ですがやられた生徒にとってはそれはとても嫌なことで、ノリや遊びでは考えられないことでした。私はよくほかの生徒とその様な軽いノリで付き合っていて、つい気持ちも考えずにその生徒にも同じことをやってしまったのです。そもそも遊びであれ、そんなところを触るべきではありませんでしたし、ただただ軽率でした。この事で傷つけてしまった相手には、本当に心から謝罪をします〉

〈二度と取り返せない過ちを犯しました。皆さん、本当にごめんなさい。そしてこれまでの人生、本当にありがとうございました〉

石井容疑者がインスタグラムに投稿した“遺書”
 
 

 釈放後、迎えに来た両親の車から「どうしてもやりたいことがある」と降りると自宅へ戻っていた石井容疑者。荷物の整理された自宅にはもう一つの“遺書”が遺されていた。

〈遺品は生徒たちにあげてください〉

 愛用のゲーム機、洋服、家具、本などは遺言通り、駆け付けた多くの生徒たちに引き取られたという。