安倍晋三元首相の妻・昭恵氏のために、森友学園がかつて設立を目指した「瑞穂の國記念小學院」が、2つの「名誉校長室」を作っていたことが分かった。フリー記者で、この問題の取材を続ける相澤冬樹氏が独自に設計図を入手。「週刊文春」に4枚の設計図を提供した。同図面は大阪地検特捜部が5年前に学園の捜索で押収しており、原本はまだ検察にある。だが、それを写真撮影した画像によって、詳細が初めて明らかになった。
図面は2014(平成26)年10月に作成されたものと、その後に書きかえられたもの。いずれも校舎1階の図面と3階の図面の双方に「名誉校長室」と記された部屋があるのが分かる。相澤氏が今回、改めて理事長だった籠池泰典氏に話を聞くと、こう回答した。
「それはねえ、昭恵さんは本校の終身名誉校長という位置付けでしたから、それにふさわしい部屋を用意したということですね」
――専用の部屋を2つも用意するというのは破格ですね。
「3階が本来の名誉校長室で、来賓との応接も考えて校舎内の一番いい場所を確保しました。でも、そこは子どもたちから遠い。せっかく現職首相夫人が名誉校長を務めるんですから、児童や職員とも親しく接してほしいじゃないですか。だから1階の職員室のそば、子どもたちが来やすい場所にも名誉校長室を設けたんです」
当時、首相の妻だった昭恵氏が、森友学園の小学校の名誉校長に就任していたことは広く知られている。だが、それは単なる“名誉職”ではなく、専用の部屋が2つも用意されるほど実態を伴っていた可能性が高まった。
7月6日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および7月7日(木)発売の「週刊文春」のグラビアページでは、4枚の設計図の全容を報じている。また、昭恵氏が名誉校長を引き受けた日に森友学園で行った講演について保護者に知らせる文書も掲載。さらに、安倍首相(当時)が文末に直筆で「安倍晋三」と書いた、安倍氏から森友学園宛ての手紙も掲載し、詳しく報じている。
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