文春オンライン

2022/08/19

 バーもそうですけど、ショータイムは直接的に見てもらうことでお金をいただける。テレビも見てもらうわけだけど、誰に見てもらっているかはわからない。もちろん、バーやショータイムとは比較にならないほど多くの人が見てくれるんですけどね。

 見てくれる方々がこちらから見えるか、見えないか。その違いの感覚が、お金にも反映されていた感じですね。 

「言うよね〜」は苦肉の策だった

ーーもうひとつ、はるなさんを語るうえで欠かせないのが「言うよね~」ですが。 

はるな ありがとうございます(笑)。これも三軒茶屋のお店で生まれたセリフで。いつも楽しい雰囲気なんだけど、7人でいっぱいになるお店なので、誰かの悪口とか愚痴が飛び出すと一気に空気が変わっちゃうんですよ。楽しい時間を過ごしてもらいたいし、お金を払ってくれてるわけだし、そういう雰囲気になるのは寂しいじゃないですか。 

「どうすればいいんやろう」と思って「言うよね~」って言ってみたら、お客さんたちが笑ってくれたんですよ。「止まらないよね~。愚痴るよね~」とか言ったら、ちょっと笑える空気になって「これはいける!」って。そうやってお店から培った「言うよね~」を、テレビでも言い出したんですよね。 

 

ーー幼い頃から憧れていたアイドルとは違う形ではありましたが、テレビの世界で活躍できたというのは? 

はるな テレビに出るようになってうれしかったのが、町でおじいちゃんに「ニューハーフとかは無理だけど、愛ちゃんならオッケー」なんて声を掛けられたり、ファンの子に「うちのお母さん、オカマとかそういうの嫌いなんだけど、愛ちゃんはかわいいって言ってる」とか言われたことなんです。 

 それって、私は認めていただけたってことだと思うんだけど。あの頃ってLGBTという言葉や存在が知られる以前、いわば入り口の段階だったんですよね。

 だからこそ、私はいまでいうLGBTにあたる人たちの代表でもあるんだと思っていたし、その一方でタレントとしてもコメントひとつとっても私ならではのものを出していかなきゃって。そういう立場と考えで、テレビに出てましたね。 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

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