林芳正外相(61)の衆院鞍替えなどを支援してきた地元の重鎮県議が、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)系団体の会長を務めていることが「週刊文春」の取材でわかった。
林氏は8月2日の記者会見で「教団とは何ら関わりがない」と述べていたものの、8月10日の内閣改造当日、統一教会系メディア「世界日報」から取材を受けていたことを明かしていた。
岸田文雄首相と同じ宏池会に所属している林氏。岸田政権発足とともに外相に就任した。
「林氏は1995年の参院選で初当選。2008年に福田政権で防衛相として初入閣を果たしました。第2次安倍政権では、農相や文科相などを歴任してきた。『将来は首相を目指す』と公言し、参院議員を辞して衆院に鞍替え。2021年10月の衆院選で山口3区から当選を果たしました」(政治部デスク)
林氏の衆院鞍替えなどを支援してきたのが、山口県の新谷和彦県議(78)だ。
「副議長の経験もあり、地盤は林氏と同じ萩市。林氏にとっては、“国家老”にあたる人物です」(地元記者)
2012年の衆院選前には、地元の商工会議所会頭らと当時の石破茂幹事長に鞍替えを認めるよう直談判している。
「ただ、林氏が狙う山口3区の現職は長らく河村建夫元官房長官でした。そのため、なかなか鞍替えは認められなかった。それでも、昨年の衆院選前には、林氏を推す“連判状”を作成するなどして県議たちが強力に後押しして、鞍替えを実現させました」(同前)
その新谷氏が会長を務めるのが、統一教会系団体「日韓トンネル推進山口県民会議」だ。2015年2月に設立され、設立大会には約200名が参加していた。
日本と韓国をトンネルで結ぶ日韓トンネル構想は、統一教会の教祖・文鮮明氏が提唱し、悲願としたもの。全長は200キロで、総工費は10兆円に及ぶとされる。かつて国内でもトンネル掘削を名目に、信者から多額の献金が集められてきた。
日韓トンネル構想を巡っては、8月23日配信の「週刊文春」電子版で、岸田首相の後援会長・中山峰男・崇城大学学長が「日韓トンネル熊本県民会議」の議長を務めていた問題を報道。中山氏は同日付で議長を辞任している。
新谷氏に話を聞いた。