来年で結成50年を迎えるTHE ALFEEのリーダー、高見沢俊彦さん。しかし、『メリーアン』がヒットするまで、デビューから9年の歳月を費やします。先行きが見えないまま、それでも音楽を続けることができた理由は何でしょうか。また、グループ以外に、ソロとしても活躍の場を広げ、還暦を過ぎて初めて小説を出版するなど多方面で活動しています。高見沢さんの軸となるものは何か、話を聞きました。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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「俺は声が高い だから貫禄ない」
――高見沢さんは、THE ALFEEとしてグループの活動を続けつつ、1991年からはソロとしても活躍されていきます。何か理由があったのでしょうか。
高見沢:理由の一つとしては、THE ALFEEでは喉や体力に負担が掛かるようなハードな楽曲を控えていた時期がありました。それならば、メタルのようなハードな曲は僕が一手に引き受けて歌おうと思ったんです。
もう一つの理由は刺激です。僕がこのグループの中でクリエイターでもあるので、自分が表に出て他の誰かとセッションすることによって、刺激を受けるんです。それをTHE ALFEEに還元する。あくまでfor THE ALFEEのソロでした。
――ソロの曲と言えば、高見沢さんが作曲、宮藤官九郎さんが作詞の『騒音おばさんVS高音おじさん』は、タイトルからしてインパクトのある曲です。
高見沢:すごくインパクトがあるよね。歌詞の冒頭から「俺は声が高い だから貫禄ない」ですよ。俺って、そういうイメージあるんだ、確かにキーは高いなって(笑)。自分がどう見られているのか客観的な視点も知りたかったし、面白いなって思いました。お客さんの反応も良くて、ソロライブで一番盛り上がる曲です。
挑戦に年齢は関係ない
――2018年にはさらに活躍の幅が広がり、初の小説『音叉』を出版されました。何か書いてみたい、といった思いが元々おありだったのでしょうか?
高見沢:『音叉』は雑誌『オール讀物』でエッセイを頼まれたことがきっかけです。エッセイを読んだ編集長から「小説を書きませんか?」って言われて、「え? 俺? そりゃ無理だろう……!」と思ったんですけど……。