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 さらに、化粧品業界でも韓国コスメの人気は広がっている。韓国化粧品大手のアモーレパシフィックやミシャが早くから日本に進出しており、中堅化粧品会社のAN (エイエヌ)も日本進出を進めている。

ANの主力商品(AN提供)

 韓国・忠清北道で産出されるイライトを主原料にエステティックサロンや美容院向け化粧品を製造しているANは、ウィズコロナに転換した今夏、日本市場を視察し、9月には東京ビッグサイトで開催された展示会「ダイエット&ビューティーフェア」に初出展した。

 韓国コスメは関税が免除されていて価格の面でも競争力がある。ANは展示会で十分な手応えを感じたという。

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中堅化粧品メーカーのANは展示会で手応えを掴んだという(AN提供)

連敗続きの業界も…? 韓国大手企業の悲喜こもごも

 一方で、必ずしも進出した業界で全て順調にシェアを広げられているわけではない。

 たとえば、飲食チェーンのBBQ Chickenやソルビンなども、進出したものの成功とはほど遠い。

 韓国のフライドチキンはアジア各国で人気がある。しかし、日本KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)の味に慣れ親しんだ日本人には受け入れられなかった。また、ソルビンはさらりとしたかき氷で韓国に加えて中国でも人気を得たが、その独特の食感はそもそも日本製かき氷機が作り出す食感であり、日本では特に目新しさはなかった。

 さらに、同じ酒類でも明暗が分かれている。焼酎に比して韓国ビールは日本ではほとんど知られていない。理由は味だ。

 ハイト眞露の「ハイト」とOBビールの「カス」はコクがなく、焼酎と混ぜて飲む韓国人も少なくない。韓国語で焼酎を意味する「ソジュ」とビールを意味する「メクチュ」の頭文字を組み合わせて「ソメク」と呼ばれている。

ロッテ酒類のクラウドとハイト眞露のテラ

 実際、韓国市場でも日本のビールのコクは浸透しつつあり、2013年、韓国の商工団体が日本製品不買運動を提唱した際、「韓国ビールよりアサヒビールを飲みたい」という理由から拒絶した人が続出したのが不発に終わった一因と囁かれた。いわんや、その“本場”である日本では勝負にならない。

 結果として、その余波は韓国ビール全体の不人気として浮かび上がっている。近年最も大規模な不買運動となった2019年の不買運動の際には70%の韓国人が参加を表明したが、日本ビールの代りに選ばれたのは、韓国のビールではなく、青島やオランダ・ハイネケン、ベルギー・ステラアウトワなどだった。