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「『チェリまほ』は派遣社員のままプロデューサーに」「異動したくて勝手にドラマをつくった」テレ東P4人が明かす《ヒットを連発する自由すぎる社風》

テレビ東京プロデューサー座談会#1

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本間かなみ(以下 本間) 私もドラマがやりたくてこの業界に入りました。他局でバラエティのADやAPをしていたんですが、2016年にテレビ東京のドラマ室が、たまたま常駐スタッフを募集していて。そこで採用されて、派遣社員として働いていたんです。

本間かなみさん

派遣社員でも企画が出せる「珍しい会社」

──本間さんは、派遣社員時代に『チェリまほ(正式タイトル・『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)』(2020)を初プロデュースされました。

 これは、ギャラクシー賞のマイベストTV賞グランプリをはじめ、ドラマアカデミー賞の最優秀作品賞、年間ドラマ大賞の作品賞など、各賞を総ナメしたんですよね。さらに今年は映画が公開されました。

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濱谷 『チェリまほ』は大ホームランでしたね。本間ちゃんは、2020年No.1ヒットのテレ東ドラマプロデューサーです。

本間 ありがとうございます。でもそれは、テレビ東京が派遣社員でも企画が出せて、企画が通るとプロデューサーをやらせてくれるという、珍しい会社だからです。テレ東以外で、そういうことができる局は聞いたことがないです。

松本拓(以下 松本) 皆さんドラマ愛が熱い中で恐縮ですが、僕は違って、もともとドラマには全く興味なくて……。中学から大学までは体育会にいて、特に中学高校は全寮制でテレビもなかったので、ドラマとは無縁の学校生活だったんです。正直、なんで内定したのかも未だによくわからないです(笑)。

松本拓さん

 で、大学時代は応援団だったので、営業ならできるかな……ぐらいの甘いノリで、5年ほど営業をやっていました。

「バラエティ所属ながら勝手にドラマを…」

──皆さんそれぞれドラマでスタートしたわけではなく、バラエティや営業などからドラマ室に異動してきたんですよね。異動希望はすんなりと通ったのでしょうか。

濱谷 僕は12年ぐらいバラエティをやりつつ、ドラマへ異動したいとずっと言い続けてました。でもなかなか叶わないので、もう実力行使するしかないと。

──勝手にドラマを作る、とかですか?

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