夜、仕事が遅くなって東京駅から中央線に乗る。すると、決まって見かけるのが、頭にミッキーの耳を付けて、泥のように眠りこけている人だ。
だいたい若い女性グループかカップル、家族連れ。座席を確保できなかった立場からすると、遊び疲れて帰りの電車で眠りこけている方々が、なんとも幸せそうに見える。ディズニーランドにたいした興味を持たなくとも、このときばかりは心の底からうらやましく思うのである。
で、そんな東京駅で見かけるディズニー帰りの皆様は、きっと舞浜駅から京葉線に乗って東京駅までやってきて、いつ終わるともしれぬ長い長い通路を通って夢の世界から現実の世界に戻って来たのだろう。
逆に東京駅から京葉線に乗るときは、「京葉ストリート」などと名付けられた通路沿いには商業施設もあるし、期待感の溢れる広告も展開されているし、案外短く感じるものなのかもしれない。そして、京葉線に乗って東京駅から舞浜駅までは、約15分である。
東京から15分…“ナゾの夢の国の駅”「舞浜」には何がある?
京葉線舞浜駅は、ほぼ完全に、100%といっていいほどに、そのイメージはディズニー一色に塗り固められている。何しろ、駅構内のあちこちにディズニー関連のあれこれがちりばめられているし、発車メロディーもディズニーの曲。
駅前がもうそのままディズニーの世界なのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、駅の中やその周囲を歩き回っている人たちもみなディズニーのお客とおぼしき人ばかり。わざわざ言うまでもないほどに、舞浜駅はディズニー一色なのである。
だが、もちろん実際にはそれだけではない。ディズニーランドがあるのは舞浜駅の南口。目を向ける機会はあまりないかもしれないが、反対の北側にもちゃんと改札口がある。京葉線の高架下を潜って南北を結ぶ改札外通路もある。舞浜駅に降り立つ人のほとんどが、見向きもしない駅の北口。そこには、いったい何があるのだろうか。