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「やっぱり、俺はみんなのことが好きなんですよ」
2018年7月号の「音楽と人」のインタビューには、宮本浩次のこんな言葉がある。
「やっぱり俺は、みんなのことが好きなんですよ。いろいろキツいことも言うけどさ。石くん、成ちゃん、トミと音を出したくてバンドやってるんですよ」
ワンマン体制でありながら、時にふと横並びになるこの感覚、何度も言うが、本当に不思議である。エレファントカシマシは結成30周年の2017年、初めて紅白の舞台に立った。肩を組み、ピースをする4人の笑顔は全員少年のようだった。
そして今年、35周年記念として公開された動画でもまた、「冨永です」「成ちゃんです」「石くんです」「ミヤジです」「(4人全員で)エレファント4です!」と叫ぶ今の笑顔もまた同じ。3月にリリースされた、4年9か月ぶりのシングルのタイトルも「yes. I. do」という全肯定の言葉だ。
得体の知れない信頼関係。ものすごく危うく見えながら、誰も理解できない、彼らだけの黄金比でバランスを保っているエレファントカシマシ。彼らは独特の緊張感とチームワークをもって、最高の音楽とエールを浴びせてくる。
その4人に、頑張ることを難しく考える必要はないのだ、と気付かされるのだ。