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 4県知事の期待を受けて、JR東海の丹羽俊介社長は「ジャパンテラス」というイメージを示した。リニア中央新幹線は大都市間を結ぶ使命だけではなく、大自然と共生する中間駅の立地によって、緑豊かなゆとりのある環境で、クリエイティブな仕事ができる。都会とは物理的に距離があるけれども、リニア中央新幹線によって短時間で往来できる。

 その環境で斬新なアイデア、イノベーションが生まれることを期待している。観光面においても、各県の景観、祭り、食文化などの特徴や歴史の物語をブランディングしていけるのではないか。各県が同じように進化するのではなく、地域の特徴を明確にすることで、独自の文化を創ってほしいと期待した。

 JR東海が中間駅の可能性をしっかり認知した。これもシンポジウムの成果と言える。

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リニア中央新幹線の中間駅を活かすシンポジウムが各県知事の出席で開催された

南アルプスに静岡県駅があってもいいような気がするが…

「リニア中央新幹線中間駅を核とする『新たな広域中核地方圏』の形成」のシンポジウムでは、リニア中央新幹線の中間駅と各県の取り組みについて、その立地と可能性をもとに「国内、海外からの投資の誘致」「広域中核地方圏の生活サービスの向上や経済活性化に資する機能集積」「先端的デジタルインフラの整備」「リニア中央新幹線時代の新たな高規格道路網の形成」が期待された。

 また、今後の課題について、「圏域を超えた連携が図られていくための継続的・発展的な仕組みの構築」「中間駅周辺における拠点圏域形成に資する土地利用コントロール」について深度化が必要とされている。

 簡単にまとめると、中間駅によって「大都市から短時間で行ける距離で、大都会よりはるかに地価が安い地域」が誕生する。高速移動手段と高速通信があれば、投資先として有力になる。ただし、乱開発にならぬように秩序を維持する必要がある。

 いままでリニア中央新幹線を「東京・名古屋・大阪」の軸だけで考えていたけれど、中間駅からの南北軸という視点に気付きがあった。中間駅の重要度が認知されれば、リニア中央新幹線のダイヤも「各駅停車タイプを増やす」あるいは「東名阪+中間駅1つタイプを設定する」などそれに対応した形を模索する必要がありそうだ。

リニア中央新幹線の南北軸に注目

 そして「南北軸が重要」というなら、やっぱり南アルプスに静岡県駅があってもいいような気がする。しかし残念ながら、今の関係性では、JR東海も静岡県も率先して言い出せないだろう。もっと早く南北軸の話をしていれば、あるいは、今からでもお互いに言いやすい関係性であったなら、と思う。

 ともあれ、シンポジウムはリニア中央新幹線の可能性をさらに広げると知らしめた。あとは一刻も早く開業できることを願うばかりだ。