チームメイトのGG・ジャクソンは、アメリカのスポーツベッティングサイト“FanDuel”のNBA専門メディア「Run It Back」にインタビュー出演した際、グリズリーズのメンバーたちが河村に悪いスラングを教え込んでいることを愉快そうに話しつつ、積極的にチームの輪に入っていく河村の姿勢を賞賛した。
このように、コート内における「身長の壁」に立ち向かうだけでなく、「言語と文化の壁」をも果敢に乗り越えようとする河村の姿が、選手や地元ファンたちの心を掴むのは自然なことだったのだろう。結果、国内のファンですら驚くほどの「河村フィーバー」が現地に巻き起こることになる。
衝撃の“We want Yuki”コール、しかしその後は……
ファンの間でフィーバーが最高潮に達したのが、河村にとって2戦目の出場となったオーランド・マジック戦。すでに大差で勝負が決した第4クオーター終盤、河村の出場を期待する空気から、どこからともなく“We want Yuki”のチャントが巻き起こる。
地元ファンの大歓声📣を受け登場👏👏🐻#WeWantYuki 🎶 #ホーム開幕戦 #河村勇輝#NBAHighlights #NBAJPN pic.twitter.com/xPW4wSG3dH
— NBA Japan (@NBAJPN) October 27, 2024
2ウェイ契約のドラフト外プレイヤーがこれほど待望される現象はほとんど前代未聞であり、それまで河村に好意的な言及を続けてきた現地メディア「Grind City Media」のYouTubeチャンネルは、この光景をフェデックス・フォーラム(グリズリーズの本拠地)の歴史のなかで「トップ5に入る瞬間」とまで言っている。
そして試合終了まで残り2分4秒、24点リードの状況で、河村がその日一番の歓声とともにコートに入る。しかしその後の展開については、同メディアをして“pandemonium(修羅場、大混乱)”と言わしめるものだった。
プレイが再開されると、河村は頭上から立て続けに3ポイントを決められ、パスミスによるターンオーバーも記録。結果としてチームは2分間のうちに11点差を詰められてしまう。この展開について、同メディアは「最後にヒーローが死ぬ映画を見ているようだった」と振り返っている。