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例えるなら、江戸前寿司と近いかもしれません。淡白な白身魚は昆布で締める、脂の乗っている魚は炙るなど、素材の味を最大限に生かすために、ネタの1つひとつにひと手間かける。これが江戸前寿司の特徴です。これと同じでアルコール添加は、造り手のひと手間がかかっているのです。
酒造ごとの個性を知る楽しさ
②普段着の味わい
私が酒蔵に訪問をした際、積極的に飲むのは本醸造です。大吟醸などのランクの高いお酒は、どうしても「よそ行き」の味がするため、その蔵の味の本質を理解することは難しいです。しかし、定番酒である本醸造は「普段着」の味わいがあります。
本醸造は、その地域で長く飲み続けられている味わいであるので、その土地や酒蔵の個性を知るにはうってつけです。そして、本醸造が美味しい酒蔵は間違いなく、すべてのラインナップが味わい深いです。
このように本醸造は、職人の技と地域や蔵の個性を感じることができるお酒です。
大吟醸や純米酒だけにとらわれず、ぜひ積極的に本醸造を楽しんでみてください。その一杯から、日本酒の多様性を感じ取れるはずです。
髙橋 理人(たかはし・まさと)
株式会社蔵楽代表、 酒蔵コーディネーター
早稲田大学商学部を卒業後、大手化学メーカーに新卒入社。社会人初の赴任地である新潟県糸魚川市にて日本酒に開眼。その後、大手コンサルティングファームにて製造業の業務・経営改革に従事。コロナ禍を契機に、2020年10月に株式会社蔵楽を創業。「酒蔵を世界一働きたい場所に」をビジョンとして、東南アジア向けの輸出、日本酒サブスク「TAMESHU(タメシュ)」の他、酒蔵のプロデュースや酒イベントの企画など幅広い事業を行っている。製造から流通まで酒業界全般に対する幅広い知見を持つ。現場と「苦楽」を共に、汗をかきながら寄り添う支援を得意とする。座右の銘は「一周回って本醸造」。J.S.A.認定SAKE DIPLOMA、ワインエキスパート、SSI認定国際唎酒師などを取得。
株式会社蔵楽代表、 酒蔵コーディネーター
早稲田大学商学部を卒業後、大手化学メーカーに新卒入社。社会人初の赴任地である新潟県糸魚川市にて日本酒に開眼。その後、大手コンサルティングファームにて製造業の業務・経営改革に従事。コロナ禍を契機に、2020年10月に株式会社蔵楽を創業。「酒蔵を世界一働きたい場所に」をビジョンとして、東南アジア向けの輸出、日本酒サブスク「TAMESHU(タメシュ)」の他、酒蔵のプロデュースや酒イベントの企画など幅広い事業を行っている。製造から流通まで酒業界全般に対する幅広い知見を持つ。現場と「苦楽」を共に、汗をかきながら寄り添う支援を得意とする。座右の銘は「一周回って本醸造」。J.S.A.認定SAKE DIPLOMA、ワインエキスパート、SSI認定国際唎酒師などを取得。