野球コラムの書き方を楽しく学ぶ「文春野球学校」のメンバーが、ほとばしる野球愛で執筆した「偏愛選手名鑑」。通常の野球名鑑には載っていない情報と情熱をお楽しみください!
◆◆◆
[はじめに]
開幕前のプレシーズンマッチとはいえ、MLB相手にナイスゲームを見せてくれたタイガース。今年はひと味違う予感がします。二軍球場も新しくなって、フレッシュな選手の台頭にも期待です。今年の寸評には、担当者一人ひとりの『虎道』がたくさん詰まっています。読者の皆さんの『鼓動』が高鳴るものがあれば嬉しいです。
(タイガース執筆チーム監督:とびたつばさ)
----------
【監督】
22 藤川 球児 (ふじかわ きゅうじ) 1980年7月21日生まれ
今季より就任
「野球選手・藤川球児とさよならをする時がきました」。引退試合での言葉を聞いた時、涙が止まりませんでした。あなたがずっと追いかけていた夢を一緒に見たい。その思いは「監督・藤川球児」になった今も同じです。 (とびた)
【投手】
00 J.ゲラ (ハビー・ゲラ) 1995年9月25日生まれ
スライダーの制球が光る。昨季は59試合に登板、31H、14S、防御率1.55と守護神の双璧を成した。年上にも年下にも「サン」付けする真面目な右腕。球場コールが‟ハッピー・ゲラ!”に聞こえるあるある。 (かずぼん)
13 岩崎 優 (いわざき すぐる) 1991年6月19日生まれ
昨季は60試合に登板、17H、23S、防御率2.20。沈み込む低い投球フォームと球界髄一の球持ちの良さがウリ。マウンド上ではポーカーフェイスだが、質問にはユーモラスな塩対応。インタビューまでご覧アレ! (かずぼん)
14 岩貞 祐太 (いわさだ ゆうた) 1991年9月5日生まれ
最近サダ見ないな、と思っていたら1年が終わってしまった。君がいないブルペンはちょっぴり寂しい。ロジンバッグを拾わず、優しくポンポンと触るいつもの所作が見られなくて寂しい。このまま終わってくれるなよ。 (とびた)
15 西 純矢 (にし じゅんや) 2001年9月13日生まれ
初代背番号15は御園生崇男。投打に優れた野球史に残る名選手である。同様の資質が純矢には十二分にある。御園生はコーチ時代に「とにかく走れ」と教えたそうな。右肘手術は無念だが、走りまくっての復活を期す。 (イナバ)
16 西 勇輝 (にし ゆうき) 1990年11月10日生まれ
『人を守ってこそ、自分も守れる』(映画『七人の侍』より)チーム最年長の男は、若手に惜しげもなく経験と技を伝える。己の勝利より、チームの勝利。その献身さが観る者の胸を打ち、思わず服を脱がせてしまうのだ。 (イナバ)
18 伊原 陵人 (いはら たかと) 2000年8月7日生まれ
NTT西日本よりドラフト1位
身長170cmとチーム1小柄な、吉田正尚に非常に似ていると話題の新人。ちなみに伊原本人も似ている自覚あり。宜野座キャンプを完走し、即戦力としての一軍登板に期待。もしかして、マッチョになる日も近いかも? (くり)
19 下村 海翔 (しもむら かいと) 2002年3月27日生まれ
キャンプ地では気さくにファンと言葉を交わし、中継カメラを向けられれば笑顔でポーズ。さすがは青学ボーイ。モテるコツを知っている。TJ手術明けだが、その実力が発揮された時、我々は完全に彼の虜となる。 (イナバ)
20 J.デュプランティエ (ジョン・デュプランティエ) 1994年7月11日生まれ
ブルワーズから新加入
虎史上最もフランス人ぽい苗字だがアメリカ人。ノーベル賞学者、宇宙飛行士、米国大統領を輩出するライス大学卒の秀才。曰く「テスト勉強をしたことがない」。栄えある名門の歴史に「NPBのMVP投手」と刻もう。 (イナバ)
24 工藤 泰成 (くどう たいせい) 2001年11月19日生まれ
四国・徳島から育成ドラフト1位、今季支配下登録
工藤が直球を投げれば、甲子園は驚きに包まれる。開幕前の対カブス戦は直球を武器に3奪三振。でもこれは、彼の飛躍の序章に過ぎない。もし困難にぶつかっても、新しくなった背番号が空から背中を押してくれるはず。 (とびた)
26 椎葉 剛 (しいば つよし) 2002年3月18日生まれ
母校・島原中央高校が拠点とする島原市営球場は西鉄ライオンズのキャンプ地だった。稲尾、河村、池永ら伝説の投手が腕を磨いた。その地で鍛錬を積んだ椎葉にはその魂が宿っているはず。目指すは神様、仏様、椎葉様。 (イナバ)
27 伊藤 将司 (いとう まさし) 1996年5月8日生まれ
『やるべす!』(映画『七人の侍』より)OB左腕能見が30歳で初めてローテ入りしたと聞き「気合入ってきた」。立夏の頃に29歳となる左腕の復活が日本一奪還の鍵。糸を引くアウトロー真っすぐで虎党を痺れさす。 (イナバ)
28 今朝丸 裕喜 (けさまる ゆうき) 2006年6月2日生まれ
報徳学園高よりドラフト2位
朝が苦手な今朝丸君。江夏の背番号をもらった甲子園スターは目標200勝を公言。今季、来季は体作りで、2027年から毎年2桁勝利と仮定すると、2042年頃に達成か。待ち遠しい。ちなみに江夏は通算206勝。 (イナバ)
29 髙橋 遥人 (たかはし はると) 1995年11月7日生まれ
TJ手術から帰ってきた不屈の左腕。ヒーローインタビューのおしゃべりもほんの少しだけ立派になった。何の不安もなく腕を思いっきり振れるようになったとき、誰もが驚くボールが投じられるのは想像に難くない。 (とびた)
30 門別 啓人 (もんべつ けいと) 2004年7月10日生まれ
臆せず投じる内角の直球と、焦りの感情が顔に出ない落ち着きっぷりが頼もしい。二軍新球場のこけら落としで先発を任された。プロ1勝目を掴めたら、その後スイスイと勝っていきそう。大竹に負けず劣らずの雨男。 (とびた)
34 漆原 大晟 (うるしはら たいせい) 1996年9月10日生まれ
昨年5月のハマスタ戦。ピンチを併殺で抑えて力強く拳を握ったとき、現ドラで来た君が改めてタイガースの一員になったことを実感したよ。甲子園に「Kings & Queens」が流れたら、うるしの出番だ。 (とびた)
35 才木 浩人 (さいき ひろと) 1998年11月7日生まれ
初めての2桁勝利、オールスター出場、侍ジャパン選出など、才木が投げるなら安心レベルの大活躍だった昨季。しかしタイトル獲得が叶わず、次なる目標はタイトル獲得を通り越して「タイトル総なめ」とのこと。 (くり)
36 畠 世周 (はたけ せいしゅう) 1994年5月31日生まれ
巨人から現役ドラフトで移籍
『苦しい時には重宝な男』(映画『七人の侍』より)ほんわかした雰囲気が魅力の癒し系だが、東のメディアで揉まれただけに、受け答えはしっかり。先発、中継ぎ何でもござれ。駒不足に陥った時、畠はそこにいる。 (イナバ)
37 及川 雅貴 (およかわ まさき) 2001年4月18日生まれ
7月の甲子園で先発投手として初めての白星。真っさらなマウンドに上がる姿を見て、やはり先発で勝負する及川が見たいと思った。鳴尾浜時代の虎風荘の思い出は「入寮日に食べたすき焼きがおいしかった」。かわええ。 (とびた)
41 村上 頌樹 (むらかみ しょうき) 1998年6月25日生まれ
智辯出身で制球力が抜群。昨季は火曜登板が多く7勝に留まるも、防御率は2.58。「今年一番勝つと思う」と前監督からも太鼓判。「ハイキュー!!」の名言をグローブと心に刻み、何かひとつでいい今日挑戦しいや。 (かずぼん)
42 N.ネルソン (ニック・ネルソン) 1995年12月5日生まれ
フィリーズから新加入
青柳と入れ替わるように加入し、青柳との面識はないもののフィリーズ関係者に根回し済のデキる男。これは阪神での活躍確定演出。阪神投手陣からも「エグい」「見たことない」と絶賛されている魔球ナックルに期待。 (くり)
46 島本 浩也 (しまもと ひろや) 1993年2月14日生まれ
共にブルペンを支え、同じトミージョン手術をした監督に恩返しを誓う。恩返しの名言といえば「只まさに一死をもって君恩に報いん」(新撰組近藤勇)だが、一死をもって報いる必要はない。左打者から確実な一死を。 (あかほん)
47 桐敷 拓馬 (きりしき たくま) 1999年6月20日生まれ
昨季は70試合登板とフル回転し、最優秀中継ぎのタイトルを獲得。阪神伝統の中継ぎチームにその名を刻んだ。なんと早くも井端監督直々に秋の侍ジャパンに内定。ルーキー桐敷、このすごさ分かる? (くりまお)
48 茨木 秀俊 (いばらぎ ひでとし) 2004年6月8日生まれ
母校・帝京長岡高校の芝草宇宙監督(元日ハムなど)は現役時に有馬記念予想でスポーツ紙に何度も載り、時には800万円の減俸分を取り戻そうとした程の競馬好き。予想を訊かれるくらい活躍して、恩師を喜ばせよう。 (イナバ)
49 大竹 耕太郎 (おおたけ こうたろう) 1995年6月29日生まれ
左右への投げ分けと緩急が光る軟投派左腕。メンタルの整え方が独特で多趣味。今年は電子ピアノとお香。彼と餃子道を検索するのがオススメ! 規定回数、2ケタ勝利は当然でその後どうするか、和田毅師匠の背を追う。 (かずぼん)
50 富田 蓮 (とみだ れん) 2001年9月6日生まれ
先発いない? 中継ぎが足りない? シーズン中のそんな悩みは富田が助けてくれます。間合いを変えて投げるクレバーっぷりも魅力。富田のような投手がいるからタイガースは戦える。森下のことは「もりしー」呼び。 (とびた)
54 木下 里都 (きのした りと) 2001年1月27日生まれ
KMGホールディングスよりドラフト3位
実戦初登板の初球でいきなり155km/hをマークし球場どよめき。野球をするのが好きすぎてプロ野球を知らず、「ヤクルトってどっちのリーグ?」と衝撃発言。このルーキー、いろんな意味で大物になりそうな予感。 (くり)
63 石黒 佑弥 (いしぐろ ゆうや) 2001年6月20日生まれ
昨季は二軍で15試合連続無失点達成。寮の部屋は藤浪が使った出世部屋、オフはかつて青柳や髙橋が出た出世イベントに参加。今季は出世の雰囲気しかしない。一軍定着、プロ初勝利へ前方よし! 後方よし! 出発進行! (あかほん)
64 岡留 英貴 (おかどめ ひでたか) 1999年11月7日生まれ
昇格しても出番なく二軍に落とされた一昨年から一変、ピンチの場面も任されるようになった。「ニカッ」と弾ける笑顔は思わずお菓子をあげたくなっちゃう。でも無失点で抑えた時に静かに拳を握りしめる姿が好き。 (とびた)
65 湯浅 京己 (ゆあさ あつき) 1999年7月17日生まれ
今年はこの男が完全復活すると予言します。難病である胸椎黄色靱帯骨化症が判明したが、同じ病から復活した選手は三嶋(DeNA)、岩下(ロッテ)など多数。つまり湯浅も大丈夫。その時をファンは待っています。 (くり)
66 津田 淳哉 (つだ じゅんや) 2001年8月27日生まれ
1月に松井裕樹の自主トレに参加し、意識が激変。投球フォームを改め、食生活を改善。BCAAドリンクで栄養補給し、嫌いなブロッコリーも克服。ケーキを食べるのもやめた。これで成果がでなかったら悲しい。 (イナバ)
69 石井 大智 (いしい だいち) 1997年7月29日生まれ
気迫と圧倒的な制球力で今年も魅せる。高専→独立リーグ→ドラフト“全体74位”→一軍定着→侍JAPAN入りし、各所からの期待の星。理論に基づいた筋トレ好きだが、もはや筋肉変態の域。好きな食べ物は七面鳥。 (かずぼん)
92 川原 陸 (かわはら りく) 2000年12月12日生まれ
昨季は共にリハビリを乗り越えた髙橋・佐藤蓮と同日に支配下復帰。肩を痛めて投げられない日々からよく戻ってきてくれた。本当にすごい。二軍では文句無しの50登板&防御率1点台。不撓の左腕の挑戦が始まる。 (とびた)
98 佐藤 蓮 (さとう れん) 1998年4月11日生まれ
2年連続で陸上やり投げ世界選手権メダリストに弟子入り。やり投げという競技から想像すると、ストレートが速くなると思いきや、何故かカーブでストライクが取れる様になっていた。柱になる球ができればそれでいい。 (あかほん)
99 J.ビーズリー (ジェレミー・ビーズリー) 1995年11月20日生まれ
甲子園100歳の記念試合(対読売)で勝ち投手。対読売の通算成績は6戦3勝/防0.73のGキラー。バッキー、キーオ、メッセ。Gに強い男はファンから愛される。目指すは球団助っ人最多勝利更新(あと92勝)。 (イナバ)