天下り官僚たちはなんと答えるのか
冒頭の山田氏は、フジが置かれた現状と調査委員会について、どう答えるのか。会見から一夜明けた1月18日、電話口で「週刊文春です」と名乗った瞬間、彼女は早口で「はい、すいません。えーと、電話切らせていただきます。失礼しまーす」と話し、一方的に通話を切った。
4人の天下り総務官僚の2人目は、山田氏と同様に情報流通行政局長などを歴任した山川鉄郎氏だ。総務審議官を最後に退官後はチェコ大使を経て、2017年7月にフジテレビジョンの常勤顧問に就任した。
「2023年7月には、特任アドバイザーに就任。放送行政に明るく、後輩にも慕われていた。現在は、株式会社エフシージー総合研究所参与、特別研究員を兼任しています」(前出・総務省関係者)
3人目の天下り官僚は、山崎俊巳氏。総務省関係者が言葉を継ぐ。
「旧郵政省に入省後、2001年に片山虎之助総務大臣(当時)の秘書官を務め、『虎の威を借る狐』と言われていた。その後、消費者庁総務課長、総合通信基盤局衛星移動通信課長などを経て、2019年に官房総括審議官で退官。現在はフジテレビ常勤顧問を務めています」
1月18日、山崎氏の自宅でインターホン越しに尋ねた。
「総務省からの天下りがフジに多いのはなぜ?」「コメントできないです」
――フジテレビについて。
「ちょっと難しいですね。(広報を)通して頂けないと」
――総務省からの天下りがフジテレビに多いのはなぜか?
「コメントできないです」
4人目は現在、サンケイビル顧問に就任している奈良俊哉氏。旧郵政省に入省後、放送政策課長、放送行政ナンバー2である情報流通行政局の審議官を歴任。2021年に菅元首相の長男が勤めていた東北新社から違法接待を受けたとして辞職している。
「目下、総務省は自分たちに批判の矢が向いてこないか、戦々恐々としています。テレビは総務省の許認可事業なのに、天下り先確保のためにフジへの対応が甘くなっているのではないかとの批判を恐れているのです」(前出・総務省関係者)
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調査結果の公表、そして日枝政権の崩壊によって、悪しき体質が変わる日が変わる日が来るのか。

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▼フジテレビ編成幹部A氏を独占直撃「中居さんの家は集まりやすくて…」第三者委員会は“フジの闇”に斬り込めるか?(週刊文春 2025年3月6日号より)
▼中居正広「女性アナ上納」スイートルーム代は誰が払ったのか《第三者委が斬り込むフジテレビの最暗部》(週刊文春 2025年3月13日号より)
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