「70年代ハリウッド映画」をテーマに、原田眞人監督と芝山幹郎さんのお二人に対談をお願いすることになったとき、まず映画を観返すことから始めました。
何せ『ゴッドファーザー』シリーズを最後に観たのは、10年以上前の中学生のころです。 オールタイム・ベストに入っているのを見つけたり、「Part 1 が至高だ」「いや、Part 2 もすばらしい」と語られるのを耳にして「そんなに素晴らしいのか」と観てみたものの、画面は暗いし話は複雑で、正直よくわかりませんでした。それでも Part 1 でマーロン・ブランド演じるヴィトー・コルレオーネが、庭で孫のアントニーと遊んでいる最中に心臓発作で倒れ亡くなるシーンだけは、強烈に記憶に残っていました。

さて、今回観返してみると、まあ、本当に面白い。現代の叙事詩とも評される重厚な物語が、この歳になってようやく腑に落ちました。
対談の冒頭でも触れられていますが、今回お二人にお願いしたきっかけは、マイケル・チミノ監督『ディア・ハンター』に登場する作業員たちが、昨年から話題で、ようやく日本製鉄による買収が完了した、USスチールの労働者である(と暗示される)ことでした。そこで「次はチミノだ!」と観てみたのですが、結婚式のシーンだけで 1 時間 15 分。いったいどうしてこうなったのか……。原田監督いわく、チミノはフランシス・F・コッポラへの嫉妬心が強く、『ゴッドファーザー』の結婚式シーンを凌ぐものを撮りたかったのだとか。
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