大食い番組のみならず、タレントとしてバラエティ番組にも引っ張りだこのギャル曽根(1985〜)。夫でテレビプロデューサーの名城ラリータ氏が人気の秘密を分析する。
妻がテレビ東京の番組「元祖!大食い王決定戦」に初出演したのは2005年10月のことです。当時は本名の曽根菜津子の名で出ていましたが、食事中でも頻繁にメイク直しする姿を見たリポーターの中村ゆうじさんが、「ギャル曽根」の愛称をつけたことで、人気に火が付いた。2007年には「大食い」がユーキャン新語・流行語大賞に入選し、表彰式には妻も呼ばれています。

それまでも、小林尊さんやジャイアント白田さんなど人気のフードファイターはいましたし、大食い番組に女性が出演することも珍しくなかった。ただ、妻があの世界で異端だったのは、ギャルの風貌なのに、上品に箸を使って食べ物を口に運ぶなど、見た目と大食いの仕方にギャップがあったからだと思います。そして苦手な食材が目の前に出てくると「食べたくない」とはっきり口にする。テレビ映りを考えて、ラーメンを食べる時には一息で麺をすすり切り、器の持ち方や食べたあとの器の重ね方などにも、逐一気を配っていた。現場のカメラマンとも親しくなって、彼らが撮影しやすい食べ方を相談したこともあったようです。
京都府舞鶴市で生まれた妻は、幼い頃に両親が離婚し、食事のマナーや躾に厳しい母子家庭で育ちました。中高時代はマラソンや柔道に励むような活発な女の子で、浜崎あゆみが大好き。高校時代はマクドナルドでバイトをしていて、休憩時間に近くのミスタードーナツに行って箱買いし、12個ぐらいのドーナツを全部食べたというんですから、彼女の大食いは周知のことだったようです。そして高校卒業後は調理師免許を取得するために専門学校へ。その後、鶏料理の店でバイトをしていた時に、店長の勧めで大食い王決定戦に出ることになったのです。
私が初めて彼女と会ったのもちょうどその頃です。まだ「ギャル曽根」として芸能事務所に入る前で、私がディレクターを務めていた「おすピー&ロンブーの起きなさいよッ!!」(フジテレビ系)という番組に、大食いで有名になりつつあった彼女をキャスティングしたんです。収録後に彼女に挨拶をすると、突然「ちょっとお腹を触ってみます?」と。食後の彼女は大きくお腹が膨らむんですが、それを初めて会った人間に触らせようとする。でもふつう、妊婦さんでもそう簡単には他人にお腹を触らせないですよね。
気持ち悪っ! それが9歳下の彼女に対する第一印象でした。その後、芸能事務所に入る時に相談に乗っているうちに親しくなり、そして愛らしく思うようになり、2011年に結婚しました。

家庭での妻はもともと料理が得意ということもあり、メタボになってしまった私のダイエットをサポートしてくれたり、子どもたち(一男二女)にも健康的な食事を作ってくれています。もちろん、彼女自身も朝から晩まで食べている時もあります。減量中の私の横でマクドナルドのハンバーガーをバクバクと食べられて、呆れた事も……。
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