井戸川射子「この世の喜びよ」(第168回 2022年下期)

町屋 良平 作家
エンタメ 読書 芥川賞

 文学賞とは相対評価であって、集まった小説のなかでどの作品がその賞にふさわしいかを判断するしかない。けっして絶対評価ではない。これはその賞の歴史とそれに伴う受賞作の水準に問うしかない。

井戸川射子氏 Ⓒ文藝春秋

 しかし時々、これが絶対的に受賞だという「絶対評価の受賞作」がある。ダブル受賞だろうが単独受賞だろうが他の候補作がなんであろうが、この作品を受賞「させなければ」文学賞、ひいては文学の基準はガタッとおかしくなってしまう。私の感覚ではこれは約3年に1作ほどある。

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source : 文藝春秋 2025年9月号

genre : エンタメ 読書 芥川賞