今後30年での発生確率は70%以上。備えが必要だ
平成は災害の時代だった――。30年余りの平成時代を振り返るにあたり、最近このような表現をよく耳にします。確かに地震だけを考えても1995年、M(マグニチュード)7.3の兵庫県南部地震によって引き起こされた阪神淡路大震災と、2011年の東北地方太平洋沖地震(M9.0)による東日本大震災という2つの「震災」が、日本に戦後最大規模の被害をもたらしました。
新たな御代でも震災は頻発するのか心配に思う人は多いでしょう。
ただ、地震そのものと、それによってもたらされる災害、いわゆる「震災」を分けて考えると、平成の30年間に日本とその周辺に起きた大規模地震の数は、昭和や明治・大正期に比べて、特に増えたわけでも減ったわけでもありません。自然現象としての地震は、常に日本のどこかでほぼ一定の頻度で起きています。
世界で発生する地震の10分の1が集中する日本では、時代を問わず、場所を問わず、大規模地震に見舞われるリスクを抱えています。残念ながら、令和の御代になってもこのリスクが減じることはありません。
我が国で1000人以上の死者・行方不明者を出した震災は、1948年の福井地震(M7.1、死者3769)後は95年の兵庫県南部地震まで発生しませんでした。しかし、その間も兵庫県南部地震クラスのM7.3程度の地震はコンスタントに日本及びその周辺で起きている。たまたまそれが人口の密集する都市の周辺で起きなかっただけなのです。明治期までさかのぼれば、ほぼ10年に1度の頻度で、1000人以上が犠牲になる震災が発生しています。
確率0%はどこにもない
令和の御代でもM7以上の大規模地震はほぼ確実に起きます。では、いつ、どこで起きるのか。正確な「予知」は今の地震学の知見では不可能ですが、ある程度長期的な期間での頻度、つまり確率を計算することはできます。
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source : 文藝春秋 2019年6月号