『シークレット・オブ・シークレッツ』はダン・ブラウンの最新作。「秘密の中の秘密」というタイトルは蠱惑的だし、舞台はチェコのプラハというのも魅力。歴史ある古い街並みを背景に、最新の脳科学の研究をめぐって奇矯なことが連続する。

　上下巻合わせて800ページという長編を書き上げた著者の体力と気力に脱帽だ。もちろん翻訳者の苦労も並大抵ではない。

　ダン・ブラウンといえば、ハーバード大学の宗教象徴学教授ロバート・ラングドンが主人公のシリーズだ。第3作『ロスト・シンボル』のヒロインだったキャサリン・ソロモンが、今回はラングドンの恋人として登場する。2人は次々に危機に見舞われるが、今回は出版社の編集者も巻き込まれて大活劇となる。

　今回のテーマは、東西冷戦時代、ソ連もアメリカも密かに研究していたこと。ヒントはそこまでに。

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