『役に立たないロボット』谷明洋/インターナショナル新書
『絶滅動物物語 3』うすくらふみ/ビッグコミックススペシャル
『うしろにご用心!』ドナルド・E・ウェストレイク/新潮文庫
労働・作業を一切しない一見無用のロボットが、日本にはいろいろいる。ゴミを見つけて近づくだけで拾えないロボット。可愛がられるだけで何もしないロボット。作られ方が雑で下手でうまく機能しないロボット。『役に立たないロボット』は、科学コミュニケーターの著者が、そうした一風変わったロボットたちがなぜ作られ、どのように扱われているかを、取材を重ねて探った1冊だ。ロボット工学が人々の心や遊びと交わり、独特の文化になっているさまが描き出される。取材対象自体の魅力が著者の解釈図式をどんどんはみ出していくのが面白い。なかでも「ヘボコン」(ロボットと制作者のヘボさを競うコンテスト)は素晴らしく愉快な催しで、感心してしまう。
『絶滅動物物語 3』は、人間がどんな動物をどのように滅ぼしてきたかを描くコミック・シリーズの最新刊。各回全て、声高な告発糾弾調ではなく、シンプルなタッチの画で事実が淡々と語られるのがいい。そのほうがずっと心に染みる。

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