日本外交には「戦略的思考」が必要だ

巨大な力の時代を生き抜く

垂 秀夫 立命館大学教授・前日本国駐中国特命全権大使
ニュース 国際

いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

垂秀夫氏 ©文藝春秋

 現在、世界各国でナショナリズムの高揚とともに保守化が進み、各国の政治指導者には、自己中心的で、かつ「力の信奉者」が目立つようになってきている。「アメリカファースト」を掲げた米国のトランプ大統領はその典型である。

 東アジアでもその傾向は例外ではない。

 中国の習近平国家主席は内政・外交の両面で強権的な姿勢を強め、軍事大国化に余念がない。さらに、米国が主導してきた国際秩序に挑戦し、中国主導の新たな秩序への野心をあらわにしている。

 各国の政治指導者が自国の利益追求をむき出しにし、巨大なパワーがぶつかり合う――そんな状況下の外交には、「戦略的思考」が死活的に重要になってくる。

 戦略的思考とはなにか。

 第一に、感情的な好き嫌いや思い込みを排し、相手国を客観視することから始まる。可能な限り情報を収集・分析し、ありのままの相手国を見る。それとともに、自国の姿も過大評価せず、実物大にとらえる冷静さが求められる。

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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

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