2026年は午年ということで、新年早々から馬関連のニュースを目にする機会が少なくありません。1月9日に発売された「文藝春秋」2月号では、“一風変わった”馬車の馭者である鈴木晴善さんの聞き書きエッセイ「馬車馬のワークライフバランス」を巻頭随筆欄に掲載しました。
鈴木さんが操る馬車は「馬車BAR」と呼ばれていて、十勝平野の主要都市である北海道帯広市で運行されています。“BAR”とその名に付いているように、二階建ての馬車の客席から景色を眺めるだけでなく、お酒とグルメも味わえるといった趣向です。

今回の巻頭随筆を担当するにあたり、私も馬車BARを体験してきました。ガイド役を務めるのは馬車BARの発案者でもある永田剛さんです。
「馬車といえば、日本では多くの人が皇室の方をイメージされるようです。どうぞ、皆さんも皇后雅子さまになったつもりで、町の方々に手を振ってみてください」と、講談師さながらの永田さんの弁舌に誘われ、私もおそるおそる通行人に手を振ってみます。すると、にこやかに手を振り返してくれるので、なんだか人気者になったような気分になります。
もう一つ、馬車BARで印象に残ったのが、とても快適な乗り心地です。人間が歩くくらいのペースとはいえ、赤信号もスムーズに止まり、交差点も止まらずなめらかに曲がります。「馬車とは、一種の半自動運転モビリティーなのかもしれない……」と、理屈っぽい感想を思わずつぶやいてしまいました。
ところで、なぜ帯広市で馬車BARの運行が始まったのか。永田さんは「帯広市は、馬との関わりに分厚い背景を持つ町だからです」と語ります。
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