史上最多の4310勝(11月21日時点)を誇る武豊(52)。2位岡部幸雄騎手の2943勝という数字をみると、驚異的なペースで勝ってきたことがよくわかる。デビューから取材をつづける競馬ジャーナリストの片山良三氏が上昇志向の原点を明かす。
「家ではオカンに叱られてばかり」の父・武邦彦は、外に出ると誰からも尊敬を集める存在だった。その父のカッコ良さに憧れて、騎手になると決めたのが10歳のときだ。身近なお手本をなぞることでジョッキーとしての正しい振る舞いを磨いた成果が、いまの完成形につながる。飄々とした自然体は弟武幸四郎にも受け継がれた武家のスタイルだが、内面には強烈な上昇志向がある。
デビュー3年目の晩夏、20歳になった武豊が2週間の米国武者修行に出たときのことだ。出迎えた現地メディアのインタビューににこやかに対応していた彼の表情が、「アメリカで何を学んで帰るつもりですか?」の質問に一瞬でキッとなったのが忘れられない。「学びにきたわけではありません。戦うためにやってきました」。この前年、2年目で関西のリーディングジョッキーとなっていた武豊は、プライドをすでに確固たるものとしていたのだ。
武豊
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source : 文藝春秋 2022年1月号