クィアとは異なる時間のあり方
クィア理論の古典が翻訳された。クィアとは、異性愛やジェンダー・バイナリといった規範的な性のあり方に違和感を覚える人々のこと。20年以上前に書かれた本であり、かつ文化批評の体裁をとっているため固有名詞が異様に多い。つまり、けっこう読みにくい。それでも、本書が提示する視点は、クィアの生を語るうえで今でも有効であるだけでなく、性の問題を超えて、「一億総中流」のような支配的な物語が崩壊した社会の未来について考えるヒントもくれているように思う。

特に大きなインパクトを与えたのは、クィアを時間の観点から考察したことだ。学校に通い、恋愛して、仕事を見つけ、結婚し、子を産み、育て、やがて老いる。社会には、標準的な人生のタイムラインが設定されており、社会保障をはじめとする国の政策や、住宅や保険といったビジネス、文学や映画における表象など、あらゆるものがこのタイムラインにもとづいて設計され、またそれを強化している。
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