道路、トンネル、橋が全国各地で崩壊し始めた

市の職員みずからが修繕する自治体も

葉上 太郎 地方自治ジャーナリスト

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いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

 暮らしを支える生活インフラ。だが、老朽化による大事故が目立ち始めた。

 埼玉県八潮市で2025年1月に起きた道路陥没事故は記憶に新しい。通行中のトラックが転落し、運転手が死亡した。道路下に敷設された下水道管の損壊が原因だ。汚水から出る硫化水素が長年構造物を劣化させたせいだと見られている。

埼玉県八潮市で発生した道路陥没現場 ©時事通信社

 和歌山市では21年、紀の川に架けられた水管橋が崩落した。部品の腐食や破断が原因と指摘されている。中央高速道の笹子トンネル(山梨県大月市)では12年、天井から吊り下げられていたコンクリート板が約140mにわたって落下し、通行中の自動車が押し潰されるなどして9人が亡くなった。

 社会資本は造れば造るほど豊かになると信じられてきた。しかし、形あるものは必ず劣化が進む。私達はどれだけそのことに留意してきただろう。今や維持管理が社会問題になりつつある。

 政府は笹子トンネルの事故を受け、道路の老朽化対策に本腰を入れた。道路法を改正し、14年度から5年に1度の法定点検を制度化したのだ。国や地方自治体などの道路管理者は、全ての橋梁、トンネル、道路付属物(横断歩道橋など)の点検が義務付けられた。

 5年ごとの点検は23年度までで2巡目が終了し、24年度から3巡目に入った。結果は国土交通省が「道路メンテナンス年報」として毎年度公表しており、どれだけ深刻かは一目瞭然だ。

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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

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