ニデックの会計不正に関する調査報告書を第三者委員会が発表した。この報告書の内容を、「ニデック永守代表の落日」(文藝春秋2026年1月号)を書いたジャーナリストの井上久男氏が解説する。井上氏が「事実であったと裏付けられた」という“疑惑”の中身とは?
「最も責めを負うべきなのは、永守氏である」
ニデックの会計不正問題を調査していた第三者委員会(委員長=平尾覚弁護士)は、3月3日に記者会見して不正の概要や要因などを発表した。調査結果を受けて、ニデックは、減損損失が今後2500億円程度発生する可能性があると発表した。
「永守氏は、一部の会計不正を容認したとの評価は免れない。(中略)今般発覚した会計不正について最も責めを負うべきなのは、永守氏であると言わざるを得ない」
第三者委員会は調査報告書で創業者の永守重信氏の責任について断じた。
「カリスマ経営者」の名誉を恣にし、五十余年にわたって経営トップの座に君臨した永守氏だが、彼自身が不正に関与していることが第三者委員会によって認められた。永守氏は調査報告書が出る前に、代表取締役、グローバルグループ代表を辞任(2025年12月19日付)。名誉会長に退いていたが、2026年2月にそれも辞任し、表舞台から身を隠した。

月刊『文藝春秋』2026年1月号(12月10日発売)で、筆者は「ニデック永守代表の落日」と題する記事を執筆した。そこで、会計不正に関するいくつかの〝疑惑〟を指摘したが、今回発表された第三者委員会による調査報告書によって、その〝疑惑〟が事実であったと裏付けられた。
正しかったニデック関係者の証言
記事で筆者は、「経営中枢を知るニデック関係者」の下記証言を紹介し、2021年頃の時点で会計不正事案が1000億円を超えていた疑いがあると指摘した。
〈「関氏はCEO当時、減損処理をするべきなのに処理していないなど、不適切会計事案がどれほどあるか、意思決定した時期とその額をリストアップさせました。すると、当時で1000億円を超える不適切な案件が見つかりました」〉
「関氏」とは、2022年9月に辞任した元社長兼CEOの関潤氏のことだ。調査報告書では、2022年度第4四半期の時点で、減損処理すべきだった資産が1600億円余りあったとされている。ニデック関係者の証言内容が正しかったと言えるだろう。

さらに記事では、ニデックの不正会計問題に関して、担当監査法人が本当に適正な監査をしてきたのか疑問だ、とも指摘した。
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