評論家・専修大学教授の武田徹さんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。
災害の多かった平成の30年間は、天皇皇后が被災地を訪ね、避難者に優しく言葉を掛ける姿が頻繁に見られた。だが、そうした「象徴的」行為を越えて、現実的な救いの手を弱者に差し伸べる社会が作られていたかといえば、それは宿題として令和に持ち越されたというべきだろう。
たとえば『若者を見殺しにする国』で赤木智弘は、終身雇用制からこぼれ落ちた就職氷河期世代の若者を救おうとしない日本社会の冷血さを告発した。強く固定された格差構造を崩すには、もはや戦争を希望するしかないとまで書いてゼロ年代論壇を震撼させた著者のメッセージは今なお古びることがない。それは令和になっても問題が一向に解決していないせいだ。
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source : 文藝春秋 2020年1月号