ファンビジネスを追求して「吉本経済圏」を作る
創業110年を超える吉本興業。多くの人気芸人を抱える“お笑いの老舗”がビジネスの幅を広げている。ライブ配信やオンラインチケット販売を独自で手掛け、海外でもコンテンツビジネスを展開。この数年でグーグル、三菱商事、NTTなど名立たる大手企業と業務提携している。昨年末には、「FANY BANK」で銀行代理業にも乗り出した。
岡本昭彦社長(59)は、ダウンタウンのマネージャーを経験するなどテレビ畑で経験を積み、2019年から社長を務めている。多角化する事業から、コンプライアンス問題まで聞いた。
――吉本興業は約6000人もの芸人・タレントが所属する企業です。日常的に現場の芸人たちと接する機会はあるのですか。
岡本 若手の芸人とはよく食事に行きます。M-1グランプリやキングオブコントのほか、関西ローカルも含め、お笑いの賞レースで決勝に進出した人たちは必ず誘います。中には、芸歴数年の、初めて会う芸人もいます。忌憚のない意見を聞きたいので、マネージャーはチーフクラスではなく、現場の若手に同席してもらっています。
その会話やアイデアから実現したこともいくつかあります。たとえば、2021年のキングオブコント王者の空気階段やコントを得意とする芸人から「『漫才劇場』があるなら、コントに特化した劇場も作ってほしい。僕らみたいなコントをやる芸人はメチャクチャ頑張ります」と言われて始まったのが、2025年にオープンした「よしもと六本木シアター」です。
そうやって話を聞いていると、昔と違ってテレビで活躍することを目標にしている芸人ばかりではなく、劇場でのライブや全国ツアー、YouTubeなどの動画配信、あるいはラジオやPodcastといった音声コンテンツに意識が向いている芸人が多いです。コント作品のアニメ化を考える芸人もいます。パッケージで幅広く売れる可能性があると考えているのでしょう。今をときめく千鳥やかまいたちを始め、売れている芸人は自己プロデュース力が非常に高いです。

マネージャーも、そんな活躍の場が広がった時代の売り込み方をしっかりと考えていて、僕のころより優秀だなと思います。マネージャーには「頼むから辞めんといてな」とよく言っています(笑)。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年5月号

