「破門されてなお」柳家小さんと立川談志

中村 計 ノンフィクションライター

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「談志が死んだ」から15年。その師弟関係は親子以上だった

 日付が変わると、訪れる人はめっきり減った。

 それでも3人の弟子は師匠宅で待機していた。ひょっとしたら、あの人物が現れるかもしれない、と。

 2002年5月16日――。月末にサッカーW杯の日韓大会開幕を控えていた時期である。人間国宝の柳家小さんが87歳で逝った。心不全だった。

柳家小さん Ⓒ文藝春秋

 寝ずに待っていた弟子の1人、柳亭市馬がその晩のことを思い出す。

「私は、夜中の1時、2時くらいになったら、報道陣もいなくなって、来るかなと思っていたんですよ。たまに会うと大げんかになったりしていましたけど、あの2人の関係は、もう特別の特別でしたから」

 遺体は通夜までの2日間、自宅に隣接する剣道場に安置されていた。ところが、弟子たちが待っていた人物はとうとう現れなかった。無論、通夜も、告別式も。

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source : 文藝春秋 2026年8月号

genre : エンタメ 芸能