日本赤軍リーダーのリアルな実像
私は複数の大学で現代史を教えていて、その中で中東問題も取り上げます。かつて日本の若者たちが「パレスチナに連帯する」と言って、イスラエルのテルアビブの空港で3人が銃を乱射。航空機の乗客などを射殺して治安部隊と銃撃戦になり、2人はその場で死亡し、岡本公三だけが逮捕された。彼はパレスチナ人にとっての英雄となり、岡本公三を救出するため、パレスチナ側はイスラエル兵を捕虜にして、人質交換で岡本を奪還し、レバノンで匿っている。
こんな話をすると、いまの学生たちはポカンとするばかり。まるで荒唐無稽な小説のように思えるのでしょうか。こうした学生たちに、「日本赤軍」の話をしても通用しません。
かつて1968年から70年にかけて、日本では大学生による反乱が相次ぎ、「日本で武力革命を実現しよう」と主張していた共産主義者同盟の方針を「生温い」と批判し、「世界同時革命」を標榜するグループが「赤軍派」として分裂。日航機「よど号」をハイジャックして北朝鮮に渡った連中の後で、パレスチナに渡ったのが「日本赤軍」だ。
こんな説明をすると、すっかりくたびれてしまいます。でも、団塊の世代にとっては、日本赤軍のリーダー重信房子は忘れられない存在でしょう。長い黒髪をなびかせた美貌の女性闘士(こういう表現も、いまはNGでしょうね)として有名だったからです。
重信氏は、パレスチナに渡った後も、しばしば偽造旅券で日本に帰国していたところ、2000年11月に大阪で逮捕されます。そのまま東京の警視庁に護送されますが、警視庁と大阪府警の刑事の仲の悪さの描写など、クスリとさせられます。

重信氏は、日本赤軍が仲間を奪還するためにオランダのハーグで起こしたフランス大使館占拠事件に関与した罪で懲役20年が確定。警視庁から東京拘置所へ移管された後、癌が見つかり、大阪医療刑務所で手術。最高裁判所で刑が確定すると、今度は八王子医療刑務所で再び癌の手術を受けます。
そして2022年5月、刑期満了となり出所しました。
初回登録は初月300円ですべての記事が読み放題
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年8月号

