考えることをやめない面白さと自由さ
哲学についてはまったくの門外漢である。学生時代に1単位だけ履修したが内容は覚えていないし、本書で言及される哲学者たち(アウグスティヌス、ヒューム、ラッセル、グッドマン、ウィトゲンシュタインの5人。それぞれちらりとしか登場しないが)の著作も、読み通したものは1冊もない。でも、いやだからこそ、この本は面白かった。

「他人に意識があるってなぜわかる?」
「自分の『赤』と他人の『赤』は同じ?」
私が本書を購入したのは、カバーに書かれたこれらの文言に惹かれてのことだった。小学生の頃、よくそんなことを考えていたからだ。
自分の感覚や、自分が見ている世界は、本当にほかの人と同じなのか。それはどうやったら証明できるのか――。いま思えば、原初的な不安である。
〈ある人たちは実際にこうした懐疑に捉えられてモヤモヤした気持ちになる〉
〈この懐疑に「なんだか知的に気持ち悪い」と反応するのも、けっして哲学者だけのことではない。だから、その気持ち悪さから目をそらさずにこの懐疑をもっと見つめてみることで、私たち自身を知ることができるかもしれない〉
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