
(右から)
作家 松浦寿輝
民衆史研究者 大門正克
人形工房〈童泉坊〉房主 須賀裕
大門正克と須賀裕と私は開成高校1年生で同じクラスになった。1969年4月。大学紛争の余震がまだ収まらず、世はカウンター・カルチャーの花盛りで、土方巽率いる暗黒舞踏派が肉体表現の極限に挑み、吉岡実が詩的言語に超絶技巧を凝らし、唐十郎の紅テントや佐藤信の黒テントなどの前衛小劇場が怒濤のような勢いを示していた。
どうやらこの高校1年という時点が、私の知的・感性的成長に急激なドライブがかかった決定的な年齢だったらしい。そしてその急加速の伴走者でありまた私に未知の世界を開いてくれたメンターでもあったのが、同級生の大門や須賀だった。大門は吉増剛造の詩を颯爽と朗詠し、紅テントや黒テントの公演に誘ってくれた。須賀はグレン・グールドや葛原妙子やピンク・フロイドを教えてくれた。そうした刺激が以後の私の人生をどれほど豊かにしてくれたかわからない。
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