AIが人間を情報化する、新たな「脳化社会」を生き抜く処方箋とは
最近、「AIが人間を超える」とさかんに言われるようになりました。しかし、そうした議論には、バカらしくて与しません。
もちろん、特定のジャンルで人間を超えることはあります。私が最初にAIに興味を持ったのは将棋がきっかけでしたが、将棋や囲碁はゲームですから、一定のアルゴリズム(計算方法)で処理ができる。だから、あらゆる手を吟味できるAIの処理能力を大きくして、高速化すれば、AIが人間を負かすのは当り前です。
そもそも、人間はコンピューターやAIと勝負する必要はありません。たとえば、百メートル走をオートバイと競う人がいるでしょうか。同様に、計算に特化したAIと人間が計算で争ったところで、AIが勝つに決まっているんですから。
また、AIが生物のようになる可能性はあり得ません。もちろん、コンピューターの世界のなかでなら既に実現しているし可能ですが、物質の世界で分子から組み立てていくことはできません。なぜなら、人工的に作れた細胞はないからです。
さらに言うと、脳の観点から見れば、人間とAIは全くの別物です。ゼロとイチの二進法のアルゴリズムで動くAIが、人間の脳を本質的に超えるということはないでしょう。
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source : 文藝春秋 2019年3月号