隠されてきた非人間的な長期収容の実態
長崎県の大村入国管理センターで餓死者が出たのは2019年6月のことだ。亡くなったのはナイジェリア人の男性で、長期収容に抗議するハンストの末の死だった。
本書を読んで、この報道に接したときに受けた衝撃を思い出すとともに、背景にある日本の入管収容制度について、自分があまりにも無知、無関心だったことを思い知った。
亡くなった男性は、3年半以上にわたって収容されていた。入管(法務省出入国在留管理庁)が管理するこうした外国人収容施設は本来、在留資格のない外国人が出国まで一時的に滞在するものだ。だが実情は長期間の収容が常態化し、拘束期間が約8年に及ぶ例もある。自国への送還に応じない、あるいは応じられない人々がいるからだ。そこには、日本で結婚して子供がいる、あるいは自国に帰れば迫害を受けるなど、さまざまな事情がある。
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source : 文藝春秋 2021年2月号