疫病というメタファー

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」

手嶋 龍一 外交ジャーナリスト・作家
エンタメ 読書

 コロナ・ウイルスは、尊い人命を奪い去り、大統領選びにも影を落として合衆国に深い亀裂を生じさせた。南北戦争の危機に直面したリンカーンは「分かれたる家は立つこと能わず」と訴え、祖国の分裂を避けるためなら、至高の信念である奴隷解放の歩みさえ遅らせた。だが、異形の大統領トランプは、リンカーンの国を「2つのアメリカ」に塗り替えてしまった。

 西側の盟主アメリカは、ケナンを擁して壮大な対ソ戦略を立案させた。『ジョージ・F・ケナン回顧録』は、対ソ封じ込め戦略を提唱した戦略家の一瞬の栄光とその後に続く挫折の生涯を冷徹に記している。

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source : 文藝春秋 2021年1月号

genre : エンタメ 読書